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山口大学医学部附属病院
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院内の様々な情報を統合参照できる医療情報マネジメントシステムを構築

神戸低侵襲がん医療センター
神戸低侵襲がん医療センター

放射線治療・化学療法に特化した医療機関を支える横河のソリューション

石巻赤十字病院様の事例

フィルムレス化・画像情報の一元化を目指して

外観 写真石巻赤十字病院様 外観

宮城県石巻市にある石巻赤十字病院は病床数388床(別途感染用4床)、診療科20の地域基幹病院であり、2006年5月18日、旧病院から7kmほど離れた現在の場所に新病院がオープンした。

新病院オープンに合わせ、横河電機のRIS・PACSを新規導入し、既存の病院情報システム(HIS)との連携運用を開始した。RIS・PACS導入までの経緯、現在の運用状況等について、同病院放射線科部長の力丸裕哉先生と放射線技師でもある千葉美洋医療情報管理係長に伺った。

新病院開設に合わせてRIS・PACSを導入

力丸裕哉様 写真放射線科部長 力丸裕哉様

放射線科でRIS・PACS導入が検討され始めたのは、1999年のMDCTの導入後、フィルム枚数が急増したことが一つの大きなきっかけである。これによるフィルム処理時間の増加、読影するためのスペースや保管スペースの問題が出てきたことに加え、2001年頃からフィルム償還価格が年々低下してきており、導入に向けて具体的な検討がなされるようになった。2003年からは数社と具体的な内容の詰めに入ったが、さらに横河電機ほか1社に絞られ、最終的に横河電機に発注が決まった。

横河電機に決定した理由について、力丸部長は「2003年〜2004年の1年間でシステム内容が大きく改善されたこと、もう1つはここが都市部から離れた地域にあるので、何かトラブルがあったときに迅速に対応できる会社であること、3番目にシステム内容の変更等に関して、こちらの要望に最も柔軟に対応した点を評価した」としている。システム構築の実作業は新病院のオープン1年半前、2004年11月頃から開始された。

完全なフィルムレスと画像情報の一元化を目標に

千葉美洋様 写真医療情報管理係長 千葉美洋様

今回のRIS・PACSシステムは、マンモグラフィーを除いた放射線科画像、超音波(超音波室装置のみ)、内視鏡(気管支鏡を含む)、眼底カメラで、DICOM対応装置から出力されるほぼ全ての画像およびこれに付随するレポートを管理している。

「今回のシステム導入は新病院開設と重なったこともあり、新規にネットワークを構築できるという大きな利点があったため、放射線科以外の部門を含めて画像情報・管理の一元化を目指すことができました。」(千葉係長) 放射線科以外で生じる画像も一括して管理することで、それぞれのシステムに関する導入費用削減やフィルム費用削減を達成している。

フィルムレス化に関しては、旧病院の頃からMDCTのThin Sliceデータを臨床各科の医師もモニター読影していた経緯があったので、下地はある程度できていたと言える。
「CTデータの取り扱いや3次元画像作成を担当していたこともあり、もともと臨床各科の先生とコミュニケーションの機会が多かったため、今回のシステム化でも理解を得やすかった」(千葉係長)

マンモグラフィー、病理組織は装置がDICOM対応となっておらず、1件あたりの画像容量が非常に大きいこともあり、今回はネットワークの構築のみに留め、将来対応予定としている。
また、CTの画像配信はスライス厚を7mmまでに留め、ネットワーク負荷を抑えつつ、その分、読影レポートシステムとの連携強化に配慮されている。

旧病院時代のデータは移転直前の半年分のみをサーバに保存しており、それ以前のX線フィルムについては、敢えてディジタル化せず、フィルム保管している。この点について、力丸部長は「前回との比較のために数年前のデータを持ち出すことは少なく、過去数年分のデータを全て取り込むのは無駄が多いので、長期保存が必要な画像のみを要望に応じて取り込んでいます。保管スペースが今以上必要となる心配もないですしね。」と話している。

モニタは2Mのカラーで統一

2Mモニタと3Mモニタ 写真診察室2Mモニタと整形外科の人工関節テンプレート用3Mモニタ

次に端末のビューア機能について同部長は「PACSは元々放射線科用として開発されているために、臨床各科の医師にとっては必ずしも使いやすいアプリケーションではないことが多い」と言う。
そこで、臨床各科に配置される端末のアプリケーション見直しを重点的に行い、常時表示される操作ボタンを「拡大・縮小」「計測機能」「濃度調節」「初期画面への復帰」の4つに絞った。
もちろん、コンピュータ操作に慣れたユーザであれば、プルダウンメニュー等でさらに高度な操作もできるが、ユーザのスキルにばらつきが大きい病院のような職場では、誰でも簡単に操作できることが重要だ。また、操作ボタンが少ない分、画像が大きく表示でき比較読影に有利である。

フィルムレス化でよく問題になるのが高精細モニタであるが、同施設の特徴のひとつは、整形外科の人工関節テンプレート用と放射線科読影室に3Mのモノクロ高精細モニタが設置されている以外、全てが2Mのカラー高精細モニタで統一されていることである。この理由について、千葉係長は「同一規格のモニタにすることで、故障時のバックアップ、メンテナンス等の管理が容易になり、どの場所でも同じ条件で画像を参照できるメリットがあります。また、内視鏡やRI検査などのカラー画像も多く取り扱うため、カラーモニタの導入は必須でした。臨床各科と何度も評価、協議した上での導入となりました。」としている。
高精細モニタの設置場所は出来るだけ絞りつつも外来、病棟偏ることなく配置してあり、外来は各診察室、病棟はナースステーションに2台、カンファレンス室、面談室に1台ずつとしたが、それでも病院全体で107台になった。

今後は地域ぐるみの脱フィルム、画像ネットワーク構築も

導入から約半年が経過した取材時点では、「もうフィルムで診察していた頃には戻れない」という医師が多いとのことである。フィルムレス環境への移行は成功したといえるだろう。

今回のRIS・PACS導入でもうひとつ重視されたのがハードウエアを含めたシステムの保守・管理である。今回のシステム導入にあたって、横河電機とは24時間・365日の保守契約を結んでいる。
「フィルムレス運用の開始自体は決して難しくないと考えていました。むしろ、良好な運用を維持するための保守・管理に関して、安心かつスピーディな対応が必須であると考えていましたので、計画当初から、24時間・365日の保守契約を予定していました」(千葉係長)

一方、力丸部長に今後の課題を聞いてみると、「ひとつはフィルムとディジタル画像の共存状態からの脱却です。当院においても現状ではフィルムとモニタ画像を比較する状態は残っていますが、これが結構大変なのです。もうひとつは他施設との連携です。当院だけで考えると近い将来に解消される問題なのでしょうが、他施設とのやり取りは容易には改善されません。他施設の先生も普段フィルムで診療しているのに、CD-ROMで画像を返されても困りますよね。当院では紹介時にフィルムかCD-ROMを選択できるようにしてありますが、このような心配なく、地域全体で均質なデータのやり取りが容易にできるようになったらいいですね。このような動きは画像データだけではなく、より広い意味での地域医療ネットワーク形成への動きにもつながっていくでしょう」と語っている。

手術室大型液晶モニタ・サーバ・RIS端末  写真
手術室大型液晶モニタ・サーバ・RIS端末