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山口大学医学部附属病院
山口大学医学部附属病院

院内の様々な情報を統合参照できる医療情報マネジメントシステムを構築

神戸低侵襲がん医療センター
神戸低侵襲がん医療センター

放射線治療・化学療法に特化した医療機関を支える横河のソリューション

宮崎大学医学部附属病院様の事例

大学病院における複数システムのリプレース より高い完成度を目指して

5年間の運用で得られた信頼性と築き上げた完成度を活かす

宮崎大学医学部附属病院様 外観
宮崎大学医学部附属病院様 外観

宮崎県唯一の特定機能病院であり、基幹病院である宮崎大学医学部附属病院(18診療科、612床)は、宮崎県で行われる医療の最後の砦としての役割を担っている。これまでも地域の診療所や病院からより高度な精密検査や治療を必要とする患者を受け入れてきたが、2010年5月に新外来診療棟が完成し、受入機能性はさらに向上し、より質の高い医療を提供する体制を整えた。

同病院の放射線部(診療科長:田村正三教授)では、2006年5月に横河医療ソリューションズのシステムで一本化した医用画像管理システム(PACS)、放射線部門業務システム(RIS)、放射線治療部門情報システム(治療RIS)をすべて更新し、2011年5月に稼動させた。

新たな放射線情報システムは、モダリティの増設、高性能化に伴う画像容量の増大に対応するため保存可能物理容量を従来比3倍の60TBに拡大し、読影端末も大幅に増加したほか、RISや治療RISでも新たな機能の追加と機能改善を行うなど比較的大規模な更新を行った。また、システムインフラにブレードサーバを採用し、機器障害に際して自動的に待機ブレードに切り替わる仕組みを実装してシステムの可用性を向上させた。

紫垣誠哉様 写真
放射線部技師長 紫垣誠哉様

今回のシステム更改は、PACSが2006年に続く2度目の更新、RISおよび治療RISは初めての更新案件である。横河医療ソリューションズのシステムを引き続き選定した背景には、過去のデータを問題なく継承することが大前提としてあり、加えて過去の運用実績で得られた信頼性、5年間で積み重ねてきたシステム改善による完成度の向上を新システムで引き継いで運用したいということがあった。放射線部技師長 紫垣誠哉氏と副技師長 上田正美氏は次のように述べている。

「PACSは10年、RISは5年にわたって運用してきましたが、ほとんどトラブルもなく、システムの信頼性に関して高く評価しています」(紫垣氏)。

「5年間かけてオペレーション環境の満足度を少しずつ高めてきました。ベンダを変えれば、この5年間で築き上げてきた完成度が、またゼロから出発しなければなりません。次の5年間で完成形に近づけたいという“こだわり”がありました」(上田氏)。

患者情報、オーダ情報の参照性が向上

今回のシステム更新で、大幅な新機能の実装と機能改善を行ったのがRISである。その中で使い勝手の向上という点で多くの利用者が指摘するのが、RIS画面上の患者情報やオーダ情報の参照性が向上したことだ。従来の画面構成は、患者にかかわるさまざまな情報を参照・確認する際に1つ1つ画面展開していかなければならなかったが、新RISでは1つの画面に必要な情報を網羅して表示することにより、操作の手間が大幅に削減された。また、HISから取得した患者情報がすべてこの画面で参照できるため、感染の有無など患者状況の詳細を確認できるようなり、医療安全の面でも効果があるという。

上田正美様 写真
放射線部副技師長 上田正美様

さらに、患者取り違いの防止対策として患者基本情報に患者写真を添付した。同病院では入院患者に対して写真付き患者カードを作成・配布しており、その写真データを電子カルテにも転用している。今回、そのデータをRIS側に取り込んで患者基本情報のフィールドに表示するようにしたもので、画像撮影などの際に実際に患者の顔と照合できるようになった。

新たにRISに実装した独自の機能としては、PET検査の際の患者のステータス管理がある。PET検査では放射性薬剤の注射から安静時間、検査後の回復時間など患者のステータスと時間を管理する必要がある。

小玉 隆様 写真

これまで放射線部では副技師長の上田氏自身がFileMakerで開発したアプリケーションを利用してきたが、その機能をRISに組み込んだ。「ステータス管理のソフトはPETメーカーで提供しているケースもありますが、導入しようとすると意外に高額。そのためFileMakerで作成して利用していましたが、RIS端末とは別のPCで稼動していたため運用が煩雑でした。 RISに組み込んだことにより、患者の情報に付随してステータス管理も同じ端末で行えるようになり、運用が非常にすっきりしました」(上田氏)と述べる。

また、紫垣氏は新しいRISで統計データの抽出機能が拡充されたことで、その有効活用に大きな期待を寄せている。「RIS上には非常に多くの情報が蓄積されています。例えば、稼動時間の実績、患者待ち時間、あるいは撮影部位のさまざまな分類分けによるデータ抽出など、ユーザーサイドでマスターを作り込めるようになったので、より統計処理がやりやすくなりました。技師の評価や業務効率の適正化、医療機器の投資計画、患者満足度の向上に向けた施策などに、そうした統計データが有効に活用できるのではないかと考えています」と紫垣氏。

治療部門のペーパーレス化に向けて一歩前進

楠原和朗様 写真
放射線科助教 楠原和朗様

治療RISの更新に関しては、線量管理や実施記録、請求データなど管理機能の拡充とデータ抽出機能(集計・統計機能)の充実が図られた。特に後者では、従来は治療情報などを検索・抽出したデータがCSVファイル出力され、Excel等を使って展開していたが、更新したシステムでは画面上で検索・抽出・展開までが容易にできるようになった。

治療RISの更新について放射線科助教の楠原和朗氏は、5年間の運用を踏まえていくつかの要望を挙げ、そのすべてを実現できなかったものの、主要な点は改善された。更新前の初期バージョンからすれば、かなり進化させることができたと指摘する。また、放射線治療部門でのペーパーレス化を目指す過程における、更新した治療RISの評価を次のように述べた。

放射線治療操作室 写真
放射線治療操作室

「放射線治療の患者さんには非常に多くの情報が付随し、また患者さんによっては複数箇所の治療を繰り返すケースもあります。そのため、フローチャート形式で患者情報と治療プロセスを一括で管理しようとすると、どうしても1つの階層で情報を表現できないということがあります。すべての情報を電子化してシステムで表現しようとすると複雑になるとともに、システム連携しても多くの情報を手作業で入力しなければならないことにもなります。
導入した治療RISは、大まかにHIS、RIS/PACS、計画システムなどと連携できていて、かつ必要な情報が簡単に入手できるという点で、バランスのとれたシステムだと思っています」。

充実した読影環境、データの災害対策が課題

一方、読影環境も端末数を大幅に増やすなど大きく変化した。更新を機に、3Mモノクロモニタ2面構成が1セット、3Mカラーモニタ2面構成が4セットに加え、2Mカラーモニタ1面構成24セットを導入。また、検査画像の高精細・大容量化、1検査当たりの画像枚数が飛躍的に増加してきているものの、「以前のシステムと比較して読影端末への画像呼び出しのスピードがアップしました。所見レポートシステムにおいても、検索機能の強化が図られました」と放射線科准教授の小玉隆男氏。

小玉隆男様 写真放射線科准教授 小玉隆男様

これまでも読影用画像ビューアは多くの要求に対応し、読影効率化のための改善やチューニングを重ねてきたと小玉氏は指摘しつつ、横河医療ソリューションズの読影システムの評価を次のように述べる。
「この読影システムのいいところは、ユーザや端末ごとに容易なカスタマイズが可能で、自分にとって使い勝手のいい読影環境を作れる点です。

反面、それを可能にする設定項目が非常に多く、その1つ1つを理解して最高の環境を作るところまで至るには時間を要します。われわれのニーズに対して、これまでもきめ細かく対応してくれましたが、今後もより適切なサポートをしてくれることを望んでいます」。

また、大容量化への対応と可用性の向上を果たしたPACSに対して、小玉氏がいま最も懸念していることは災害時のデータ保護だという。東日本大震災では多くの医療情報の消失が問題になった。

小玉氏
ブレードサーバ
大容量ブレードサーバ

そうした大規模災害でも画像データや所見データを確実に保護し、医業継続が可能な仕組みを早急に構築すべきと指摘する。「医療提供の継続、臨床研究的においてもデータは病院の重要な資産。遠隔地でのデータのミラー化など、ある程度のコストをかけても病院の資産を担保する必要があると考えています」(小玉氏)と強調した。

紫垣氏

最後に、紫垣氏は今回のシステム更新プロジェクトに関して、時間的余裕を持って事前打ち合わせを全体会議、個別会議の両方で綿密にできた点が、プロジェクトを成功させた要因の一つだと指摘。そして、「過去5年間でも、その都度改善に努力してもらいましたが、更新プロジェクトにおいても要望や課題を1つずつ解決しながら、それらがほぼ反映された使いやすいシステム環境を構築できました。その実現には、担当SEの方の並々ならぬ尽力があったことを高く評価しています」と結んだ。