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山口大学医学部附属病院
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神戸低侵襲がん医療センター
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放射線治療・化学療法に特化した医療機関を支える横河のソリューション

聖隷浜松病院様の事例

脳神経外科の診療クオリティ向上と業務効率化を実現した6面画像ビューア

豊富な診療と手術実績を誇る脳神経外科

外観 写真
聖隷浜松病院様 外観

社会福祉法人聖隷福祉事業団 総合病院聖隷浜松病院(以下、聖隷浜松病院)は、病床数744床、職員数約1800人を擁する静岡県西部医療圏の急性期基幹病院である。

1962年3月に開院し、50年にわたって地域医療の中核を担ってきた。同病院の脳神経外科(部長:田中篤太郎氏)は、県下有数の手術症例を誇る。2010年度の手術件数は498例に上り、特に130病変を数える転移性脳腫瘍など定位放射線手術(アキュナイフ)をはじめ、てんかん(76症例)、脳腫瘍(67症例)、 頭部外傷(67症例)で豊富な実績を上げている。従来の一般的な手術に加え、アキュナイフや血管内手術など、内科的治療、外科的治療の枠にこだわらずに患者にとって最も望ましい治療を選択・実施しているという。

認定証

こうした豊富な症例数を活かして、新臨床研修制度において、県内で浜松医科大学医学部附属病院と並び日本脳神経外科学会の専門医訓練基幹施設の認定を受けている。新臨床研修制度以降、すでに4人の専門医研修医が同病院の研修プログラムを履修しており、その実績を着々と築いている。その脳神経外科では、病院全体の医用画像管理システム(PACS)から脳外科と関連する脳卒中科と神経内科3科のオーダの検査画像をレプリケーションするオンライン画像サーバ(DICOMストレージ)を構築し、臨床用に6画面の画像ビューアを導入・運用。診療のクオリティを向上させるとともに、外来診療の時間的効率化につなげている。

フィルム運用ならではの良さを代替する6面画像ビューアを導入

館内

聖隷浜松病院は、2006年に電子カルテに、2009年にはPACSを整備してフィルムレスに移行した。フィルムレス運用は一般的に、放射線部門にとっては出力および画像管理業務の効率化が飛躍的に向上し、放射線科医にとっても特にMRIやCT画像の読影やレポート作成など業務の効率化・迅速化などで多くの効果を生み出す。ところが、脳神経外科や脳卒中の臨床医にとっては、必ずしもフィルムレス運用はメリットだけでなく、かえってデメリットももたらすという。その理由を田中部長は次ぎのように述べる。

「脳神経外科の臨床医は、患者さんにおける脳腫瘍の進行度や治療の効果を診るために、過去の検査画像と最新の検査画像の比較から、微妙な変化をとらえて的確な判断を行うことが診療の重要なポイントになります。フィルム運用のときはシャーカステンに、常に8〜10枚のフィルムを並べ、前回と当日の撮影画像を比較してきましたが、1画面はもちろん2画面モニタであっても、そうした比較による判断は非常に困難ですし、モニタ診療の方が圧倒的に時間を要します。ここが診断を目的とする放射線科医と、多くの患者と接しながら診療する臨床医とのフィルムレス運用に伴う大きな違いといえます」(田中氏)。

田中氏

田中氏によると、転移性脳腫瘍患者などの場合、前回の画像検査と比較した腫瘍の大きさの変化、新しい腫瘍が増えていないかの比較、腫瘍周囲の脳浮腫の大きさ比較などを行う。 そのために比較用画像と、それ以外の画像を即座に選び出して前回検査の画像を並べて比較することが必須という。 また、アキシャル像(体軸断面)のみだと撮影ごとにスライス位置が微妙に異なるため、前回と比べて腫瘍が大きく見えたり、小さく見えたりする場合があるため、コロナール像(冠状断面)あるいはサジタール像(矢状断面)と比較して治療結果の判断を行ったりするという。

「正確でスピーディな診療を行うためには、数種類の画像を1面モニタで比較するのは非常に不便。また、比較のために選び出した画像の組み合わせが記憶されていないと、見直したいときや患者さんに説明する際に、再び同じ操作を繰り返さなければなりません。こうした不便さからフィルムレスになってから外来の診療時間が非常に長くなり、終了するのが19時や20時になることも珍しくありませんでした。」(田中氏)と、脳神経外科でのフィルムレス運用のデメリットを指摘し、6面モニタのビューア導入に至った背景を説明する。

診療のクオリティ向上と業務の効率化を両立

6面モニタ

田中氏は多面モニタ対応のビューアの導入にあたり各社に問い合わせたところ、ほとんどのベンダーが4面モニタへは対応可能という。そうした中、唯一、横河医療ソリューションズが6面モニタ対応を提案、それが選定の大きな理由だったという。また、田中氏が以前に勤務していた病院で横河医療ソリューションズのビューアを運用していたことや、聖隷浜松病院と共立湖西病院、菊川市の中規模病院などとの遠隔画像診断システムで運用実績があったことも選定の後押しをした。

導入した6面モニタ対応の画像ビューアは、脳神経外科および脳卒中科の外来診療室に2セット、カンファレンスルームに1セットを設置した。 脳神経外科・脳卒中科・神経内科でオーダした検査画像のうち、基本的に過去13カ月分をPACSからオンライン画像サーバで受信して運用する。それ以前の過去画像は必要に応じてビューア用ワークステーションでPACSに検索をかけて転送できる。 撮影したCT画像などは、6画像を1つのシリーズとしてコントロールキーに割り当て、シャーカステンにフィルムを並べるがごとく順次6面モニタに表示可能。画像比較のためには、選定した過去画像を明るさやコントラストを調整した上でカンファレンスリストと呼ぶ一覧に記憶しておき、診察時に呼出して最新画像とともに6面モニタに表示して比較することができる。外来診療時における6面モニタよる画像ビューアの効果を田中氏は次のように述べる。

「フィルムレス・モニタ読影で臨床的な課題になっていた画像比較が、6面モニタビューアで大きく改善しました。枚数の多い検査画像から必要な画像を選び出してカンファレンスリストに登録しておくことで画像の比較が容易になり、画像診断の効率性が大幅に向上し、診断のクオリティもフィルム診断と同等に向上しました。定量測定したわけではありませんが、診療時間は以前と比較して2時間近く短縮したのではないかと感じています。一方、患者さんへの説明に際しても、比較する画像をカンファレンスリストからすぐに呼び出して参照しながら十分な説明できるため、満足度の高いインフォームドコンセントが可能になりました」(田中氏)。

また、カンファレンス時に6面モニタビューアを活用することにより、過去画像との比較が効率的にでき、若い先生が外来患者さんの画像を相談するときにも、カンファレンスリストから必要な画像の組み合わせを瞬時に呼び出せるため、充実したカンファレンスが可能になったという。

完成形を目指してさらなる機能を強化、対応するSE力に期待

フィルムを並べる画像比較に代わる6画面ビューアを採用しようとしたとき田中氏は当初、どのような機能があれば便利であるか自身でも完全に把握しておらず、試行錯誤しながら機能を拡充してきたという。「ほぼ完成に近づきつつある」としながらも、「フィルム運用よりもさらに便利であるためには、まだ要件を満たす必要がある」と田中氏。

田中氏

それはカンファレンスリストの機能強化だ。現在のカンファレンスリストは、画像比較などのために選び出した画像をグループ化した一覧として存在している。特定の患者画像を呼び出す際には、一覧ウインドウから対象のリストを探し出して選択表示させる。さらに診察の現場で使いやすくするためには、ある患者の画像を参照しているときにその患者IDにひも付いたカンファレンスリストを自動的に抽出して一覧化する機能を望んでいる。そうすることで、表示されるカンファレンスリストは診察中の患者の画像に限定されるため、呼び出しが非常に便利になる。

また、現在カンファレンスルームに設置されている6面モニタを移動可能にして、手術室での利用も考えているという。脳外科手術は術中の画像参照が必要になるため、現在はフィルムを手術室のシャーカステンに並べている。その手術の際に必要な画像をカンファレンスリストに登録して活用できれば、非常に有効だという。

写真 花

導入検討時に必要だと思われた機能も、実際の運用フェーズに入ってからは使い勝手に問題があったり、さらに機能を強化したい点がいろいろと出てくるなど、試行錯誤で使いやすさを追求している。田中氏は、そうした数々の要求に対して、横河医療ソリューションズの担当SEはよく応えてくれていると評価している。

「6面モニタビューア自体、既存の製品ではないし、操作や機能についても放射線科医の読影と異なる特殊なケースが多い。個人的な使い勝手も含めて数々の要求を出してきましたが、それに応えようとするSE力には非常に満足しています」(田中氏)と述べる。そして、すべての要求に応えることは不可能としても、脳外科の臨床医として考える共通的な機能要件を満たしてくれるよう、今後も期待していると結んだ。