瀬上雅博(*1) 草柳直也(*1)
加藤誠児(*2) 小池克博(*2) 三宅正二(*3)
(*1) エレクトロニクス研究所
(*2) メジャメント1技部
(*3) メジャメント2技部
We developed a new digital oscilloscope. The instrument incorporates self-developed 100MS/s, 10-bit A/D converters. It is the successor to the 8-bit model DL4080 and inherits his long-memory concept, high-speed update rate and versatile functions. High precision and high cost-performance were fulfilled in this digital oscilloscope. Some of the functions were enhanced from its predecessor, such as the split-display mode to utilize high precision and multi-language help.
チャネル毎に自社開発フルカスタムの100Mサンプル、10ビットのAD変換器および自社開発1チップAMPを搭載し、4CH同時100Mサンプル、150MHz帯域を実現した。直流確度はこれらのアナログASICの高精度により±1.0%を達成した。
専用パイプラインプロセッサにより、メモリ長100KW/CHの状態で高速更新レート(毎秒30回)を達成し、快適な操作環境を実現している。
AD変換器の高分解能を生かして測定するためにスプリット表示(図2)を実現した。各波形を独立したスプリット画面に割り付けることで、各信号それぞれのフルスケールで測定、表示をすることができる。これにより 多チャンネル測定時にも高精度測定を可能にする。
海外での販売を考慮しDL4080より好評のオンライン日本語ヘルプの多国語化を実現した。(図3) 今回は、英語、ドイツ語を実装しており、メニューで選択可能である。
SCSIインターフェースを採用した。標準装備の3.5型FDDに加え、HD(ハードディスク)やMO(光磁気ディスク)を接続することが可能となり、単体(パソコンを接続すること無く)で大量の波形データ(最大2GB)等を保存することができる。
トリガがかかるたびに信号をFDやMO、プリンタに記録する機能を追加した。この機能により信号を無人で長時間モニタすることを可能にした。
フロントエンド部/プリアンプ部/トリガ部はDL4080で用いた回路をそのまま使用し、回路の共通化および開発の短期化をはかった。AD変換部は当社エレクトロニクス研究所で独自に開発した100Mサンプル、10ビットのAD変換器を各チャネルに1個ずつ使用した。デジタル系とアナログ系のアイソレーション向上のためAD変換器まわりの電源配線をAD変換器内部の各ブロック毎にそれぞれ分離した。プリアンプ部、AD変換部をそれぞれ1チップ化したことにより、トランジスタのマッチングと熱バランスが向上しドリフトの改善が可能になった。またDL4080に比較して電圧軸分解能が4倍(8ビット→10ビット)に増えたこと、プリアンプのゲインを連続に可変でき(ギルバートセル方式)よりきめ細やかな自動校正が可能であることにより直流確度 ±1.0%を達成した。
サンプリングレート100Mサンプル、分解能10ビットのモノリシックサンプリングAD変換器を開発した。 最大の特長は広帯域サンプル&ホールドを内蔵したことである。これによってAD変換器単体として500MHz以上の帯域幅が得られ、等価サンプリングにも十分対応できるようになった。AD変換の基本構成として、2ステップサブレンジング方式を用い、上位5ビットと下位6ビットからエラーコレクションされた10ビットデータを出力する。また、ディレイラインによるタイミング発生回路、およびDCリファレンス発生回路なども内蔵し、高速高精度サンプリングを実現すると共に外付け部品数を削減した。 チップはfT9GHzの高速バイポーラプロセスを用いて設計した。チップサイズは7.4mm×7.0mm、総素子数は約12,000個(内トランジスタは約7,000個)である。 設計のポイントは高速動作を実現することとローノイズなAD変換を両立させることにあった。そこで、まず広帯域のアナログ回路において、素子自身が発生する熱雑音を極力抑えるように注意深くTrサイズ他の素子値を決定した。さらに、広帯域のサンプル&ホールド回路は全て差動構成として、高速のディジタル回路で発生するスイッチングノイズなどを受けにくくした。また、レイアウト上のノイズ対策として、電源配線をブロック毎に専用化し、長距離のデジタル信号線の下にシールド層を挿入した。
ファイルセーブ時に自動でファイル名を付けることが出来る。
シーケンシャルストアでセーブされた時間を秒単位で表示する。
セーブデータとして画面イメージにポストスクリプト、HPGLがあったが、新にビットマップ(TIFF/BMP)もサポートした。これによりほとんどのワープロにそのまま張り付けることが可能となり、よりいっそうレポート作成に威力を発揮する。
千田隆之、山口和人、杉原吉信、津波古充吉:
``高帯域ゲイン可変アンプIC'',
横河技報 Vol.38,No.4,p157〜160,(1994).