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ホーム > 技術情報 > 各種産業と計測技術 > 地球に優しい新エネルギー太陽電池への期待

Question
最近の太陽電池の応用製品についてお聞かせください。

 例えば、裏面からも発電する世界初の両面発電太陽電池は、高速道路の防音壁など垂直に設置しなければならない場所でも使える太陽電池として新たな活路を開きました。また、自然光を透過しながら発電するシースルー太陽電池も本来の発電以外に空調負荷低減にも貢献できる省エネガラスとして期待されています。
 新築時に屋根材として利用できる建材一体型太陽電池も、本来必要な屋根部材のコスト低減や施工費の低減に寄与するだけでなく意匠的にも優れていることで普及の拡大が見込まれています。国内の住宅用設置数が50%以上伸びている原動力は、ハウスメーカーの貢献度も大きいと思います。
山洋電機本社屋上にて ソーラーアーケード
●両面発電太陽電池を設置した
 三洋電機株式会社本社屋上にて
●シースルー太陽電池を採用した伏見大手筋商店街
 ソーラーアーケード正面ゲート(資源エネルギー庁長官賞受賞)
Question
太陽光発電の大量普及に向けた今後の課題と取組みについて教えてください。

横河電機:湯原 1994年に「新エネルギー導入大綱」が閣議で決定され、2010年までに482万kWの導入計画が出されました。太陽光発電のマーケットを拡大するには、普通の家庭で使用する住宅用システムおよび、官庁・自治体や民間企業などが設置する業務用システムの普及が重要です。  住宅用システムの普及は、今後2010年までにシステム機器や工事費などのさらなる価格低減が必要で、従量電灯並みの発電コスト(24円/kWh)を実現することが課題となります。そのためには、薄膜太陽電池や化合物系の超高効率太陽電池、住宅の屋根材やビル材などの建材一体型太陽電池など新型太陽電池の開発も必要でしょう。電力会社による余剰電力購入制度の継続も重要です。太陽発電低コスト化への連鎖業務用システムの普及も、コスト低減が課題です。
 三洋電機でも、さらに変換効率を上げ、コストダウンに取り組んでいきます。2004年1月から貝塚市二色の浜に新生産拠点を設立し60MW体制とし、2005年には年産120MWの生産体制をとる予定で更なる太陽電池事業の拡大を目指していきます。
 また、三洋電機岐阜事業所内にある「ソーラーアーク」も太陽電池普及への啓蒙活動の一つです。未来を担う子供達に地球環境問題と太陽光発電の科学への関心を高めてもらう目的で太陽電池科学館「ソーラーラボ」も併設しています。2003年5月に開催された太陽光発電世界大会では、ソーラーアークが見学コースの一つに選ばれ、世界の注目を集めました。
Question
太陽光発電の将来の夢をお聞かせください。

太陽光エネルギーを有効に利用した近未来住宅 マルチメディア化が進展し、家庭にまで光ケーブルを張り巡らせる時代が来た時、小規模でも十分なエネルギーを得られる太陽電池や燃料電池、蓄電池等をネットワークさせれば、非常時のバックアップも含めた信頼性の高いシステムが実現できると思います。
 21世紀は電気自動車が道路を走り、太陽光発電システムを設置した電気スタンドが登場すると思います。そして、高速道路に太陽電池が設置され、その電源を利用したインテリジェント通信や制御システムの誕生、同時に太陽電池を搭載したソーラーカーの普及も進むと思います。
 太陽電池は、夜は発電できないし、雨や曇りなど日照条件によって出力が低下します。これらの問題を解決するため、太陽光発電システムを世界の各地に分散設置し、高温超伝導電力ケーブルでネットワークするGENESIS※計画を三洋電機は提唱しています。
 全世界のネットワークができれば、昼の地域から夜の地域へ、晴れの地域から雨の地域へ、エネルギーを輸送することにより、全世界のエネルギーを賄うことができます。2010年の全世界のエネルギー消費量は、原油換算で約140億k /年になると予想され、これを変換効率10%の太陽光発電システムで賄う場合の面積はわずか全世界の砂漠面積の4%に過ぎません。このGENESIS計画が原型となり、民間6社共同による「シルクロード・ジェネシス研究会」の発足や、国際エネルギー機関IEA(International Energy Agency)に取り上げられ、多国間共同研究がスタートしています。
GENESIS計画の実現に向けて
Question
太陽電池の開発において計測器メーカに期待することは何でしょうか。

 太陽電池の開発では、セルやモジュールの多点温度測定や電圧・電流の測定に電子測定器を使っています。これからは、太陽電池の設置現場で使用する測定器があればと思います。例えば業務用であればフィールドテスト向きにセットアップされた測定器とか、家庭用であれば家庭でも設置し易い価格で簡易なインテリジェント計測器などがあると思います。
インタビューに同席された方々
●インタビューに同席された三洋電機株式会社
  営業開発本部 新規事業ビジネスユニット 業務用ソーラー営業部
  (写真右手より)担当部長 豊田浩一郎氏 担当部長 西脇 秀則氏 部長 藤田 昌宏氏
  (写真左手より)担当部長 横尾 孝正氏 インタビュア− 横河電機 湯原 仁志
21世紀の新エネルギーとして注目される太陽電池。
技術立国日本が生み出す高い技術にこれからも期待しています。
(聞き手:横河電機(株)制御プロダクト事業本部ネットワークソリューションセンター長 湯原 仁志)
THE T&M LINK Vol.11 (2003年7月) 掲載

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