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数MHz以上のアナログ信号をディジタル信号に変換するために

高速A-D変換のしくみとIC活用術(前篇)

CMOSプロセスの進化とA-Dコンバータの将来


20年ほど前、高速A-Dコンバータはディスクリート部品を組み合わせて作るのが主流でした。その後10年前くらいまでは、バイポーラ・プロセスによる並列型が主流でした。
今では、CMOS LSIプロセスが進歩して、パイプライン型を中心に高速化が進んでいます。その陰には次のような課題があり、アナログ回路技術やディジタル回路技術、実装技術を駆使して解決しています。
  • 微細デバイスでのA-D変換精度の確保
  • 素子耐圧による電源電圧の制約、増大する回路ノイズや素子間の特性ミスマッチ
  • 素子の配置や配線の抵抗、容量の影響をきちんと踏まえた設計
  • LSI内部だけでなく、パッケージやプリント基板実装を含めたディジタル・ノイズ対策

高速A-DコンバータLSI化の難しさ 図10に示すような、A-Dコンバータ内部のディジタル回路ブロックから発生するノイズは、変換速度が高速になるほど大きくなり、このノイズは高分解能を実現しようとすると大きな足かせになります。将来の超高速A-Dコンバータは、CMOSプロセスとSiGeプロセスが競い合ってスピードを上げていくことが予想されますが、この課題が付きまとうことになるでしょう。
システム・オン・チップ(SoC)の世界では、デザイン・ルールが90nmのCMOSプロセスでのLSI設計が進んでいるようです。聞くところによると、1億円以上の開発費を要するとか…。MOSFETのfTも100GHz以上に達するようで、システムの高速化にさらに拍車がかかりそうです。
さて、90nmCMOSプロセスでもA-Dコンバータは開発されるでしょうか?
電源電圧1V程度で設計しなければなりませんから、実現は簡単ではありません。

ミックストシグナルシステムインパッケージ
ここまでA-Dコンバータの設計が難しくなると、図11のようなミクスト・シグナル・システム・イン・パッケージ(SiP)による実装手法が、これまで以上に注目を集めるでしょう。
SiPとは、必要な機能や性能に合わせた最適なプロセスでの回路ブロック設計が可能で、再利用が図れる技術です。この最先端の技術は、今後のミクスト・シグナル・システムの現実的な解法になるのではないでしょうか。SiPが普及するポイントは、SiPに適した設計環境・検査手法の確立だと思います。


矢印 コラム:高速A-DコンバータICを選ぶ時の注意点

    【後編の予定】
  • A-Dコンバータの心臓部サンプル・ホールド回路と変換精度
  • プリアンプ(アナログ入力部)に要求される特性と変換精度
    への影響
  • クロック信号純度や基準電源精度が変換特性に与える影響と
    対応
  • 複数のA-Dコンバータを使った高性能化
  • レンジ切り替え回路を使った高性能化
  • タイム・インターリーブ動作の原理
  • オーバー・サンプリングとアンダー・サンプリング
【参考文献】
■A-Dコンバータに関する書籍
1. 相良岩男;A-D・D-A 変換回路入門,日刊工業新聞社
2. Rudy van de Plassche;Integrated Analog-to-Digital and Digital-to-Analog
3. Behzad Razavi;Principles of Data Conversion System Design,IEEE Press
■最新のA-Dコンバータやミクスト・シグナル・システム
 LSIの情報が得られる学会の予稿集
4. International Solid-State Circuit Conference (ISSCC)
5. Custom Integrated Circuits Conference (CICC)
6. European Solid-State Circuits Conference (ESSCIRC)
7. Symposium on VLSI Circuits