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数MHz以上のアナログ信号をディジタル信号に変換するために

高速A-D変換のしくみとIC活用術(後篇)

最新の無線技術を支えるサンプリング方式

周波数変換や検波に利用されるアンダー・サンプリング

アンダー・サンプリングは、信号の周波数変換や検波、ディジタル・オシロスコープにおける等価時間サンプリングと呼ばれる繰り返し信号の再構成などの用途に使われています。
最近の無線通信では、図11のように高速A-Dコンバータで中間周波数(IF)をA-D変換し、DSPで信号処理するディジタルIF受信機が普及してきました。
ディジタルIF受信機の構成と各サンプリング方式のスペクトラム
図12に示すように、IF周波数の2倍以上の周波数でA-D変換する基本的なナイキスト・サンプリング方式のほかに、アンダー・サンプリングの手法でIF信号から変調信号成分を抽出するサンプリングIF方式もよく使われます。この場合IF信号をキャリア周波数fIFよりわずかに低い周波数fSでサンプリングして、fIF-fSの周波数に変換し、DSPによるIQ復調を行います。
サンプリング方式
キャリア周波数よりわずかに低い周波数の整数分の1でサンプリングすると、A-D変換結果にはミキサを通したようにヘテロダイン検波されたベースバンド信号成分を得ることもできます。このような手法をサブサンプリング方式とも呼びます。

アンダー・サンプリング方式A-D変換回路の要件

必要な帯域が確保できるサンプル&ホールド回路が必要です。また、折り返しで生じるスプリアス(エイリアジング)を避けるためのBPFも必要です。
サブサンプリング受信機では、ベースバンド信号帯域ではなく、サンプル&ホールド帯域のノイズがすべて折り返されてくるため、SNRの見積りに注意が必要です。また、クロックの位相ノイズやジッタも扱うIF信号周波数に対して十分小さいことが必要です。

アンダー・サンプリングの応用「等価時間サンプリング」

最近のディジタルオシロスコープでは、サンプリング周波数より高い周波数の信号でも、繰り返し信号であれば等価時間サンプリングという手法を使って波形を表示させることができます。


トリガ時間測定後の補間演算により
0.4psの最小時間分解能(2.5THz相当)で
等価サンプリング表示できる
DL9000シリーズ ディジタルオシロスコープ
ディジタルオシロスコープDL9000

図13
に示すようにA-D変換結果とともに、波形表示の基点となるトリガ・ポイントからサンプリング・ポイントの時間差も測定することでデータを並べ替えて合成し、入力信号と相似な波形を表示しています。
ディジタルオシロスコープで用いられる等価時間サンプリングの原理


コラム:A-DコンバータのAC特性を評価するシステム

ミニ用語解説


■参考文献■
  1. K.Poultonほか;A 20GS/s8b ADC with a 1MB Memory in 0.18umCMOS, Digest of Technical Papers, pp.318~319, Feb. 2003,ISSCC.
  2. B.Razavi著, 黒田忠弘 監訳;RFマイクロエレクトロニクス,丸善.
  3. B.Brannon;Wide-dynamic-range A/D converters pave the way for wideband digital-radio receivers,EDN Magazine,1996,アナログ・デバイセズ.
  4. Dynamic Performance Testing of A to D Converters, Hewlett Packard Product Note 5180A-2.
  5. B.Peetzほか;Measuring Waveform Recorder Performance,Hewlett Packard Journal, Nov. 1982.