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数MHz以上のアナログ信号をディジタル信号に変換するために

高速A-D変換のしくみとIC活用術(後篇)

クロック信号純度や基準電源精度が変換特性に与える影響と対応

クロック信号、基準電源の重要性

A-Dコンバータの性能をフルに発揮するためには、外部から供給するクロック信号の純度や基準電源の精度にも十分に気を配る必要があります。そもそもA-D変換とは、アナログ入力信号を時間的に離散化(サンプリング)し、振幅においてその量子化ステップ数を求めることです。
クロック信号は、サンプリングの際の時間基準になりますし、基準電源は量子化の際の振幅基準になります。A-Dコンバータが高性能になればなるほど、クロック信号と基準電源への要求も厳しくなります。

クロック信号純度の影響

クロック信号にジッタが含まれる場合の、A-D変換結果への影響を考察します。
クロック信号純度の代表的な評価関数としてジッタが使われます。ジッタとはクロックの時間的ゆらぎのことで、標準偏差またはピーク・ツー・ピーク値で規定されます。
ジッタは、アナログ入力信号の立ち上がりが急峻なほど、また周波数が高いほど、その影響の度合いが増します。
アナログ入力信号として、周波数f、振幅A、オフセット0Vの正弦波を例にとります。
正弦波の立ち上がりがもっとも急峻になるのは、レベルが0Vの付近で、そのときの傾きは、
  ΔV/Δt=2πfA
です。A-Dコンバータの分解能がNビット、入力信号レベルがフルスパンという条件で考えると、アナログ振幅AはA-D変換後に2N-1というデータになります。1LSB変化してしまう時間変動Δtは、
  Δt=ΔV/2πfA=A/(2N-1)/2πfA=1/πf2N
になります。図4に、N=6~12ビットのA-Dコンバータについて、アナログ入力周波数fと1LSB分の変化をもたらす時間変動Δtの関係をプロットします。
クロックジッタのA-D変換精度への影響

基準電源精度

基準電源によって、A-Dコンバータのフルスケールが直接決まります。
基準電源の温度ドリフト、PSRR、ノイズは、そのままA-Dコンバータとしてのそれら特性に加算されます。
高安定でロー・ノイズの基準電源を選択することはもちろんですが、外来ノイズが基準電源に飛び込まないように気をつけて配置配線する必要があります。特に、A-Dコンバータ自身がノイズ源とならないように注意したほうがよいでしょう。そのためA-Dコンバータのディジタル出力配線と基準電源の分離、A-Dコンバータのディジタル電源と基準電源のデカップリングを実施してください。
負荷電流(すなわちA-Dコンバータの基準電圧入力端子の入力電流)が大きい場合は、電流ドライブ能力が高く出力インピーダンスの低い基準電源が必要です。