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数MHz以上のアナログ信号をディジタル信号に変換するために

高速A-D変換のしくみとIC活用術(後篇)

最新の無線技術を支えるサンプリング方式

オーバー・サンプリングとアンダー・サンプリング

サンプリング定理によれば、A-D変換された信号の周波数が、サンプリング・レートの1/2分以下の信号なら復元可能です。このときのちょうど2分の1の周波数をナイキスト周波数と呼ぶことも一般によく知られていることでしょう。
さて、ある周波数の信号に対して、それがナイキスト周波数になるサンプリング・レートより高いサンプリング・レートでA-D変換することをオーバー・サンプリング、低いサンプリング・レートでA-D変換することをアンダー・サンプリングと呼びます。
この関係を積極的に利用することで、A-Dコンバータに続くディジタル信号処理回路(DSP)と組み合わせて、新たな機能や性能を実現できます。
現在もっとも注目されている用途は、無線通信です。この世界でもディジタル化が浸透し、A-Dコンバータを使ったディジタル受信機が一般的になりました。変復調機能をディジタル化することで、将来のソフトウエア無線に対応できる柔軟性、拡張性、再現性に優れた受信機が実現します。
今や、A-Dコンバータの特性が受信機の性能を決めるもっとも重要な要素になっています。

高精度化とSNRの向上を実現できるオーバー・サンプリング

一般にオーバー・サンプリングは、高精度化とSNRの向上を狙って利用されます。
サンプリング・レート(fS)を高速化すると、後段のディジタル・フィルタによって、ノイズ・フロアが10 log(fS/2)だけ改善できます。fSを2倍にすると、SNRは3dB改善できるのです。
特に、積分器とデルタ変調器を組み合わせたシグマ・デルタ(Σ-Δ)A-D変換器は、図10のように、ノイズ・フロアを高周波域にシフトさせる効果(ノイズ・シェーピングという)を利用して、ディジタル・フィルタとの組み合わせでさらなる高精度化を可能にしています。
ノイズシェービングとDSPによるSNRの向上