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エネルギースター対象機器の評価要求事項と
それに適合した電力測定のポイントについて

解説

3.エネルギースター対象機器向けの電力計

3.1.積算機能

コピー機のようなOA機器では、感熱工程、紙送り工程などで大きなエネルギーを消費します。
省エネルギー化を実現している機器では、必要時のみエネルギーを消費し、必要以外のエネルギーを削減することで省エネを実現しています。そのため、稼動状態を測定する場合でも変動の激しい測定となります。
測定器の測定値表示をモニターしても値の変動が激しいため、平均的な稼動状態の電力を測定するのは困難です。
このため電力計の積算機能を使って測定します。
積算電力を時間換算することで稼動状態の平均的な電力を得ることができます。
式
   Pavg:稼動区間の平均的な電力(W)
   WP:稼動区間の積算電力(Wh)
   Ti:稼働時間(積算時間)(h)


変動する対象の積算で重要なことは、測定ギャップの有無です。
測定器によっては、データ更新区間中に有効データ区間と、測定していない無効データ区間(測定ギャップ)が存在するものがあるので注意が必要です。
測定ギャップがあるとその区間の変動を測定できないため、正しい結果が得られなくなります。
横河電機が現在販売しているWTシリーズは、すべてNo Gapで積算値を測定するので、安心して使用いただけます。

変動測定対象と測定器の測定区間

図3 変動測定対象と測定器の測定区間


電力計によっては、測定ギャップが生じるものがあるので注意が必要です。
WTシリーズでも積算ではない通常測定ではギャップが生じます。
有効電力の測定データを収集してPCで積算演算するような処理をすると、WTシリーズ本体で積算した結果と異なることがありますので注意が必要です。
さらに、WTシリーズは豊富な演算機能により、積算区間内の平均電力をリアルタイムに表示できます。


3.2.確度

エネルギースター対象機器は電力測定では、測定精度0.5%以内という規定があります。
電力計の測定確度は読み値誤差とレンジ誤差で表現されます。
以下に測定器の設定と測定誤差についての例を示します。

条件例 
  レンジ設定 : 100V/1A レンジ
  電力計確度 : 仕様 0.1% of reading + 0.05% of range
例1 
入力の条件 : 100V,1A 力率1 有効電力 100W
トータルの誤差 :  
  100W×(0.1% of reading)+100Wレンジ×(0.05% of range)
    =0.1W+0.05W  =0.15W (0.15% of reading)
例2 
入力の条件  : 100V,0.5A 力率1 有効電力 50W
トータルの誤差 :  
  50W×(0.1% of reading)+100Wレンジ×(0.05% of range)
   =0.05W+0.05W =0.1W (0.2% of reading)


このように同じ測定レンジでも、測定レンジに対して入力が小さいときの方が測定誤差が悪くなることがわかります。 適正レンジで測定することが重要です。
機器の省エネ化、待機電力の削減が進むことにより、よりワイドな電流レンジが必要になってきます。
コンピュータやディスプレイ、OM 試験手順が適応される画像機器では、待機状態の微小電流を測定ことが多いため、最適な微小電流レンジを有する測定器が必要です。
変動の激しい測定を行うときにはレンジを固定にして、積算で測定を行います。このとき測定レンジはオーバーレンジにならないように、測定期間中の最大の値に合わせてレンジを設定します。
測定期間中に測定対象の消費電力が小さくなると、レンジに対して小さい入力になります。
この期間の測定は、測定精度が悪くなってしまいます。
以下に積算電力から平均電力を求めるときの測定誤差の考え方を示します。

変動する電力の誤差考察の例

図4 変動する電力の誤差考察の例


積算電力:100W×15/60+10W×135/60=25+22.5=47.5 (Wh)
平均電力:47.5 Wh/150×60 = 19 (W)
100Wレンジで19Wを測定したときの確度:
  電力計の仕様 0.1% of reading + 0.05% of range
  19W×0.1%+100W×0.05%=0.019W+0.05W=0.069W
  測定値 19Wに対して 0.36%

一般的に、レンジに対して測定入力が小さい区間が多いほど測定誤差が大きくなります。
仮に積算中にレンジを変更できたとしても、レンジ変更には時間がかかり測定ギャップができてしまいます。変動が激しい測定をしていると、レンジが頻繁に変更されて、かえって誤差が大きくなってしまう可能性もあります。
TEC試験手順が適応される画像機器では、固定レンジでダイナミックレンジの広い測定を行うことになりますので、レンジ誤差の小さい測定器を選択することが重要になります。
測定器のレンジ誤差を左右するのは測定回路の直線性の性能です。
現在発売している横河電機の電力計は、すべてディジタルサンプリング方式を採用しているため、アナログ掛け算方式など他の方式の電力計に比べて優れた直線性を示します。
また、測定器によっては、電力測定値が小さいときには測定値を強制的にゼロにしてしまい電力値が測定できない測定器もありますので注意が必要です。