計測豆知識/技術レポート
低周波EMC規格対応の電源試験 高調波測定
解説
2.高調波規制の概要
スイッチング電源などのコンデンサインプット型の電源では、高調波電流が発生します。
このような電源の普及により、商用電源に高調波ひずみが生じ、機器の誤動作、電源系統の
コンデンサの発熱などの問題を発生します。
そのため、高調波電流を発生させる機器に対して限度値が決められており、これらの試験は、
機器の最も高調波の発生する試験条件で実施する必要があります。
■2.1. IEC61000-3-2 16A以下の限度値
| 機器によってA,B,C,Dのクラスに分けて、最大40次までの高調波電流の限度値が規定されています。 各クラスの限度値は、測定観測期間内の平均値と最大値に適用され、平均値が限度値以内であること、 最大値が限度値の1.5倍以下であることが求められます。 ![]() 図1. IEC61000-3-2のクラス分けフロー | |
表1. 限度値の例 クラスDの限度値![]() |
規格は限度値の適用以外に、緩和処置の条件を設けるなど、若干の 見直しが行われています。 例えば、21次以上の奇数時高調波については、部分奇数高調波電流POHCが限度値以下であれば、 各次数の限度値の150%までが緩和処置として許容されます。 ![]() |
■2.2. IEC61000-3-12 16A以上75A以下の限度値
IEC61000-3-12では、13次までの各高調波と40次までの高調波電流から算出した、総合高調波ひずみTHDおよび部分加重高調波ひずみPWHDで限度値が決められています。

16A以上の大型機器では、その機器をつなぐ系統の高調波電流に対する強さの指針である短絡比Rsceの大きさごとに限度値のレベルが規定されています。
系統インピーダンスが低くて高調波電流が発生しても、電圧ひずみが起こりにくい電源系統につなぐことを限定すれば、機器の発生する高調波限度値が大きくても構わないという考え方をします。
もっとも厳しいRsce=33による限度値を満たした場合は、どのような系統にも接続可能です。
Rsce=33の限度値を越えても、短絡比Rsceを大きくすれば限度値に入る場合にはそのRsceを決めて、
そこから算出できるSsc値を対象製品に明記すれば規格適合させることができます。
偶数次高調波は短絡比Rsceによって限度値のレベルが変わらないので注意が必要です。
表2. IEC61000-3-12の限度値例 平衡三相機器以外の機器の限度値


