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ホーム >技術情報 >計測豆知識·技術レポート >交流電力の基礎知識と電力測定器の仕組み
  2. 2. ひずみ波の電力 有効電力は各周波数成分ごとの電圧、電流、位相の積の総和。

有効電力は、瞬時電圧と瞬時電流の積を電圧または電流の一周期の区間平均することで表されます。ひずみ波の電圧、電流および電力が含まれる場合には、電圧、電流、有効電力は、次の式で表されます。
nは高調波成分の次数、U,Iはn次成分の電圧、電流実効値、φnはn次成分の電圧と電流間の位相差

ひずみ波電圧とひずみ波電流による有効電力は、同じ高調波成分(周波数)の電圧、電流と力率の積から得られる有効電力の総和であることが分かります。異なる周波数成分による電圧と電流の積の平均値はゼロ となり、有効電力にならないことを表しています。有効電力を測定する場合には、電圧あるいは電流の一方が高い周波数成分が含まれていたとしても、低い方の周波数帯域の特性をもつ測定器を使用すれば良いことになります。

  2. 3. 三相電力

●基本は各相の総和
三相の電力は、各相の電力を3台の電力計を用いて測定し、それぞれの電力を加算すれば求まります(図3参照)。しかし、実際の電力系統では図4のように、中線が存在しないことがあります。このような場合はブロンデルの定理より図4のように電力計を2台使用してその和から求めることができます。

3つの電力計を用いた三相電力測定方式
図3:3つの電力計を用いた三相電力測定方式

2電力計法による三相3線結線
図4:2電力計法による三相3線結線


●ブロンデルの定理
「多相の電力は送っている電線の数がn本の時、n−1台の電力計で測定することができる」

3つの電力計による測定では、中線を基準にした各相電圧と各相電流から電力を測定しているのに対して、2電力計法の場合は、各線間電圧と関係する相電流から電力を測定することになります。理論上は、いずれの方法でも三相のトータル電力の値は同じになります。これをベクトル式(図5参照)を用いて以下に説明します。

2電力計法の場合、線間電圧と相電流の位相差がそれぞれ異なるため、各々の電力計で表示される値は異なります。また、相電圧と相電流の位相関係により、線間電圧と相電流との位相差が90度以上になる場合もあるため、この場合は負の電力を表示することになります。よって電力の値は、あくまで三相電力のトータル値のみが意味を持つことになります。また、2電力計法を用いた場合、基本的には三相不平衡状態でも有効電力は正しく測定できますが、各相電流のベクトル和が零にならない状態(例えば、中線電流が流れる場合など)では、上記の式のUT×(IR+IS+IT)の項が零にならないため、この部分が電力計表示値に対して測定誤差となります。
三相電圧、電流ベクトル図
図5:三相電圧、電流ベクトル図



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