計測豆知識・技術レポート
測定器の正しい使い方入門 信号発生器の使い方
DDS方式のファンクション・ジェネレータ
解説
DDS方式ファンクション・ジェネレータを使った測定例
ここでは、2チャネル・シンセサイズド・ファンクション・ジェネレータを使用した測定例を紹介します。
■ 直交変調器の信号源
最近話題になっているディジタル移動体通信などで使用される直交変調器の評価法を説明します。
直交変調器とは、図7‐11で示すような構成をもった、たがいに90゜位相のずれた搬送波それぞれに対し、
二つの変調信号I、Qを乗算したのち合成するというものです。
入力変調信号をi(t)、q(t)、搬送波周波数をfcとすると出力信号s(t)は、次式のようになります。
s(t)=i(t)・cos(2πfct)一q(t)・sin(2πfct)ここで、i(t)、q(t)に、周波数がfmでたがいに90゜位相のずれた信号、cos(2πfmt)とsin(2πfmt)を入力すると、理論的にs(t)は、
s(t)=cos{2π(fc+fm)t}となります。

ここで2チャネル・シンセサイズド・ファンクション・ジェネレータを使ってみましょう。
この信号発生器は、周波数、振幅、位相を自由自在に設定できますから、両チャネルとも周波数、振幅を
一定にして、位相だけを90゜ずらします。これだけで上述のi(t)、q(t)信号を作成できます。
図7‐12にこの測定システムを示します。


図7‐13は図7‐12のシステムで実際の直交変調器を測定したデータです。
実際には、fc+fmのスペクトラム以外にもfc、fc-fmの周波数にも信号成分が現れます。
fcはキャリア成分の漏れ、fc-fmはイメージ成分の漏れで、直交変調器を評価する指標となります。
このようなデータは2チャネル・シンセサイズド・ファンクション・ジェネレータを使用すれぱ簡単に測定
できます。
このほかにも、周波数、振幅、位相を自在に変えられるので、それぞれの指標の周波数特性、振幅特性など
直交変調器のさまざまな評価ができます。
■ 超音波モータの駆動信号源
図7‐14に超音波モータの駆動試験法を示します。
超音波モータを駆動するには、90゜位相のずれた二つの信号源(CsinωtとCcosωt)が必要です。
ここで、Cは圧電セラミックスに印加する電圧の振幅、ωは角周波数と呼ぱれる量です。
図7‐14のように、2チャネル・シンセサイズド・ファンクション・ジェネレータと電力増幅器を組み合わせること
により、大きな振幅を発生させられます。また、2相信号の周波数、振幅、位相などが可変できるので、
より充実した試験が行えます。

■ 電力計較正システムの信号源
図7‐15に電力計較正システムを示します。
電力計の較正には、電圧および電流の2種類の発生器とそれらの発生器間の位相を制御する信号源が
必要です。この信号源には2チャネル・ファンクション・ジェネレータが最適です。
位相を自由自在に設定できるので、任意の力率での特性評価が簡単にできます。
