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高速波形測定とプロービング

 高速信号のプロービングにおける問題点

 
負荷効果
測定対象回路にプローブを接続すると、プローブの入力インピーダンスにより測定対象に何らかの影響を与えます。これを負荷効果と呼びます。
たとえば、帰還回路を測定する場合、接続されるプローブのインピーダンスのために回路の位相マージンが変化して回路の動作が変化したり、発振回路の場合には発振周波数が変化したり、発振が停止してしまうこともあります。
特に静電容量に敏感な回路を測定する場合には、プローブの選定に注意が必要です。

プローブの入力容量による観測帯域の制限
特に100MHz以上の周波数成分を観測すると、信号源インピーダンスとプローブの負荷容量で形成されるローパスフィルタの影響が顕著に出る場合があります。
50Ω系の回路を例にみてみましょう(図1)。この例では、負荷(終端)で信号波形を観測する場合、等価信号源インピーダンスは25Ω(50Ωの並列)に見え、ここにプローブの入力容量が付加されると、プローブの入力ポイントにおけるカットオフ周波数は fc=1/2πRC となります。入力容量14pFのパッシブプローブを使うと fc=455MHzですが、入力容量0.9pFのアクティブプローブを使えば fc=7GHz となります。
出力インピーダンスが高い回路を測定する場合は負荷効果がさらに顕著に出ますので、入力容量の小さいアクティブプローブ/FETプローブのご使用をお勧めします。
50Ω系回路図
インダクタンスによる共振
測定対象とプローブは何らかのピンあるいはワイヤーを使って接続しますが、ある長さのピンやワイヤーがあると必ずインダクタンスが存在し、プローブの入力容量と共振を起こします。この共振周波数がオシロスコープの周波数帯域外にあれば波形観測に支障ありませんが、インダクタンスや容量が大きいと、測定対象の信号波形には本来無いピーキングやリンギングが観測されることがあります。
接続時のインダクタンスを10nH(1~2cm程度の長さ)として前述の3種類のプローブについて共振周波数を比較してみると表1のようになり、意外に共振周波数が低いことがわかります。このインダクタンスはプローブの入力側だけでなく、グラウンド接続のインダクタンスも影響しますので注意が必要です。

(表1)
PB500
パッシブプローブ
PBA2500
アクティブプローブ
PBL5000
低容量プローブ
入力容量
約14pF
約0.9pF
約0.25pF
共振周波数
(L=10nHの場合)
425MHz
1.68GHz
3.18GHz

ケーブルの特性変化
プローブ先端からオシロスコープに信号を伝送するために同軸ケーブルが使用されます。プローブには、実使用での取り回しの良さを考慮して柔軟性と高周波特性を両立したケーブルが選定されていますが、それでも小さい曲率で曲げると誘電体がつぶれ、その部分の特性インピーダンスが変化し、ケーブルの通過/反射特性が悪化して観測波形の高周波成分に影響が出てしまいます。高周波の波形観測において再現性が悪い原因の一つがこれなので、ケーブルをなるべく曲げないようにし、取り回しを一定にすることで測定の再現性を上げることができます。