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光ファイバ通信のしくみと光スペクトル測定

2.長距離・大容量光ファイバ通信を実現させるためのキーワード

高速に点滅できる半導体レーザ

電気信号から光信号への変換には、半導体レーザなどが用いられています。電気の'0'、'1'信号は、光の点滅信号に変換されます。これを強度変調と呼びます。
図7に変調の概念図を示します。半導体レーザは、高速に変調することが可能であるため、高速データ通信に適しています。また、光から電気への変換はフォトダイオードが用いられています。高速のものは1秒間に100億回 (通信速度10Gbps)程度の点滅およびその検知が可能となっています。

半導体レーザの変調
図7 半導体レーザの変調

1波長しか発光しない半導体レーザ (DFBレーザ)

光通信で現在使用されている半導体レーザの代表的なものとして、DFBレーザとFPレーザがあります。
それぞれ、表2に示すような特長があります。

項目
FPレーザ
DFBレーザ
光スペクトル
FPレーザ
DFBレーザ
伝送距離と伝送容量
近距離、中容量
長距離、大容量
コスト
安い
高い
表2 半導体レーザの種類

二つのレーザの違いはその光スペクトルにあります。DFBレーザは、1波長しか発光しないというのが特長で、長距離・大容量光ファイバ通信に適しています。
図8は、それぞれのレーザを使用して光ファイバ通信を行ったとき、送信したディジタル信号 (点滅信号)が、光ファイバを経由して受信されたときの信号の様子を表したものです。
DFBレーザを使用した場合、送信されたディジタル信号の波形がほとんど変化することなく受信されるのに対し、FPレーザの場合は送信したディジタル信号が時間的に広がってしまい、最悪の場合ディジタル符号の誤りが発生します。この現象は光ファイバの中を進む光のスピードが、波長によって異なるために発生します (光ファイバの波長分散と呼ばれる)が、通信速度が速くなればなるほど送受信間での波形劣化が大きくなり、伝送距離が制限されてしまいます。長距離・大容量光ファイバ通信を実現するには、レーザの発光波長は少ないほど良いので、1波長しか発光しないDFBレーザが適しています。


FPレーザ
FPレーザの送受信ディジタル信号
DFBレーザ
DFBレーザの送受信ディジタル信号
図8 光レーザの種類と送受信ディジタル信号 (9)

光を光のまま増幅する光ファイバアンプ

いくら低損失な光ファイバといえども、光は減衰していずれ弱くなってしまいます。数十kmの伝送距離ならよいのですが、数百kmとか数千kmという距離では、何らかの方法で弱くなった光を十分な強さに戻してやらなければなりません。そこで開発されたのが「光ファイバアンプ (光増幅器)」です。光ファイバアンプとは、従来のような光→電変換を行わずに、光を直接 (光のままで)増幅させることができる装置です。
図9に光ファイバアンプの構成を示します。エルビウムドープ光ファイバは、エルビウムという元素を光ファイバ中にドープ (添加)したものです。エルビウムは、励起用光源の光を吸収し、吸収した光エネルギーを光通信の波長で使用する1.5µm帯の光で、はき出してくれる性質を持ちます。エルビウムドープ光ファイバに弱まった光信号 (1.5µm帯の信号)を通過させると、増幅された強い光信号となってエルビウムドープファイバから出力されます。

光ファイバアンプの原理
図9 光ファイバアンプの原理