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光ファイバ通信のしくみと光スペクトル測定

2. 光ファイバネットワークにおける光スペクトル測定事例

光ファイバ通信用の基本測定器として位置づけられる光スペアナですが、その使われ方の多くは、近年のFTTHサービスの普及より前から、光ファイバ通信用デバイスの研究・製造の場面で使用されてきました。電話線、同軸ケーブル、無線といったアクセス回線は、その形態は異なるものの、そのおおもとの回線をたどっていくと、必ず光ファイバのネットワークに接続されているのです。普及が進むFTTH回線は、おおもとの光ファイバネットワークをそのまま末端まで延長した通信手段といえます。
ここでは、光トランシーバや光ファイバアンプなど、光ファイバネットワークを構成する重要なデバイスについて、光スペアナを使用して測定した事例を紹介します。
また、WDM信号の測定のポイントについても解説します。

短距離通信用レーザと長距離通信用レーザのスペクトル比較

光ファイバネットワークの構築に不可欠な光送受信モジュールは、光トランシーバと呼ばれています。光トランシーバ内部の送信モジュールにはレーザが使用され、その光スペクトルの評価に光スペアナが使用されます。
図22図23にそれぞれ光トランシーバのレーザの代表的なスペクトルを測定した結果を示します。
図22
に示したレーザはおもに近距離の光ファイバ通信に使用されるレーザで、図23に示したレーザはおもに長距離通信に使用されるレーザです。明らかにスペクトルの形状が異なることがわかると思います。
図8で示したように、光ファイバ通信システムにおいて、ディジタル信号のパルスの広がりは光源スペクトルの関数となっています。すなわち、レーザのスペクトルの広がりが小さいほど、ディジタル信号のパルスの広がりは小さく抑えられ、より高速で長距離の通信が可能となります。
図22に示した近距離用レーザは、光スペアナを使用して光スペクトルの広がり幅を測定します。
図23に示した長距離用レーザは、光スペクトルが単一性に優れているため、評価指標としては光スペクトルのピークレベルに対してセカンドピークがどれだけ抑圧されているかを測定します。

近距離通信用レーザの光スペクトル測定例
図22 近距離通信用レーザの光スペクトル測定例

長距離通信用レーザの光スペクトル測定例
図23 長距離通信用レーザの光スペクトル測定例

光ファイバアンプの利得も光スペアナで測定

光ファイバケーブルの損失はゼロではないので、光も長距離の伝送をすると減衰していきます。そこで、図9で説明した光ファイバアンプを使用して、信号を増幅しながら長距離通信を実現します。
光ファイバアンプの重要な評価項目として利得の評価があります。光ファイバアンプの入出力信号の光スペクトルをそれぞれ測定することで、次式により利得G (倍)を求めることができます。
 G= (Pout-PASE) / Pin

  Pout:光ファイバアンプの出力光
  PASE:光ファイバアンプのASE光
  Pin:光ファイバアンプへの入力光

図24に光ファイバアンプの利得測定の一例を示します。
ここでは1波長の信号を増幅する例を挙げましたが、光ファイバアンプは、WDM信号を一括して増幅することが可能です。

光ファイバアンプの利得
図24 光ファイバアンプの利得