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光通信における光パワー測定

光パワー測定の注意点

次に、光パワー測定の注意点について、PDの波長感度、干渉による影響に着目して説明します。

<PDの波長感度>

PDの種類によって測定できる波長の範囲が異なることは前に述べましたが、波長によって光を電流に変換する割合が異なる“波長感度”があることも知られています。図7は光通信で使用されるSi-PDとInGaAs-PDの代表的な波長感度特性で、波長によって感度が大きく異なることが分かります。単にPDで発生する電流を測定するだけでなく、測定光の波長感度を加味することで、はじめて正しい光パワー測定が可能となります。

光パワーメータは、この波長感度を補正する機能を持っています。測定光の波長を設定することで正確な光パワー測定ができます。

PDの波長感度特性

<干渉の影響>

近年、大容量光通信システムでは、単一波長の光だけを発するDFB LD(Distributed Feedback Laser Diode)が多く使わ れています。光はとても高い周波数の電磁波であり、波の特性を持っています。単一波長であることは、波として純粋な正弦波で あると言え、同位相の波が重なり合ったときに強めあい、逆位相のときに弱めあう“干渉”という現象が起こりやすい光です。光の干渉は、光コネクタや光部品が接続された複数の反射点がある 光ファイバ伝送路を、単一波長の光が伝搬するとき、多重反射によって引き起こされます。少しの波長の揺らぎもなく、光ファイバの長さが全く変わらない状態であれば、安定した光パワー測定ができるはずですが、実際はそうではありません。光源や光ファイバの設置状態、振動、温度変化などで波長や光ファイバの長さはわずかに変化します。このわずかな変化が“干渉ゆらぎ”を呼び 起こし光パワー測定値が不安定になるという悪影響を与えます。 この干渉を避けて安定した光パワー測定を実現する方法として、以下の3点があります。
  1. 光ファイバの設置状態を固定し、振動を避け、安定した温度環境とする。
  2. 光ファイバ伝送路内にある反射点の反射を極力小さく抑える。
    光コネクタの端面クリーニングを十分に行う。
  3. 単一波長の光にわずかな変調を与えて干渉しにくい光にする(コヒーレンス制御機能を使用する)。または、LED(Light Emitting Diode)などの干渉を起こさない光を使う。

光干渉の例

おわりに

近年、FTTHの工事などで一般の人が光パワーメータを目にする機会もでてきました。これだけ身近になってきた光通信の世界ですが、日々、新しい通信方式や光デバイスの研究開発が行わ れています。“光パワー測定”は依然として重要な測定項目であり、“光パワーメータ”は欠くことのできない基本測定器です。多くの種類の光パワーメータが各メーカから販売されていますが、使い方によっては正しい測定値が得られない場合もあります。測定光の波長を正しく設定する、安定した測定環境とする、接続やクリーニングへの配慮、光源の性質を知るなど基本的な注意点に対処したうえで、光パワーメータを正しく使用することが重要です。