| はじめに
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電力測定器は、電気機器の消費電力を測定する装置であり、家電製品、照明器具、産業用機器などの研究開発、生産ライン等の場面で、幅広く使用されています。
近年の地球環境問題やエネルギー資源の有効活用の観点から電気機器の省エネルギー化の要求が高まっています。そのため、機器の高効率化、小型化による機器内部の電力変換の高周波化が進み、より広い周波数帯域、より高精度での電力計測が求められています。また、高効率化のために、電力変換器は複雑な電力制御を行い、その段階ごとに消費される電力を細かく測定する必要性が増えてきました。
ここでは、省エネルギーの気運から必要性が高まっている電力計測に関する基礎について解説し、計測ノウハウの一部を紹介します。
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| 電力計測の基礎
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電気エネルギーは、電熱器や電気炉の熱、モータの回転力、蛍光灯や水銀灯の光などの各エネルギーに変換されて利用されます。
このような負荷に対して電気がする仕事(電気エネルギー)を、単位時間当たりの量で表したものが、電力(electric power)です。単位はW(ワット)を用い、1秒間に1ジュールの仕事をするとき、その電気エネルギーは1Wになります。
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| ● 直流の電力 |
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直流の電力P[W]は、加えられた電圧U[V]と負荷を流れる電流I[A]との積で求められます。
P=UI [W]
毎秒、P[W]の電気エネルギーが電源から取り出され、抵抗R[Ω](負荷)で消費されます。 |
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| ● 交流の電力 |
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交流の電力は、容量性負荷(コンデンサ)や誘導性負荷(インダクタンス)が含まれることによって
電圧と電流の間に位相差が生じます。電圧の瞬時値がu =Umsinωt、
電流の瞬時値が i =Imsin(ωt−φ) である場合、交流の電力の瞬時値 p は、次のように表します。
p=u×i=Umsinωt×Imsin(ωt−φ)=UIcosφ−UIcos(2ωt−φ)
UとI
は、それぞれ電圧と電流の実効値を、φは電圧と電流の位相差を表します。
pは時間に無関係の「UIcosφ」と、電圧や電流の2倍の周波数の交流分「−UIcos(2ωt−φ)」の和になります。負荷で消費される単位時間あたりの電力Pは、pの平均値であるため、pの交流分「−UIcos(2ωt−φ)」は0と
なり、電力Pは、P=UIcosφ[W]になります。
同じ電圧と電流でも、その位相差φによって電力が異なります。図2の横軸より上は正の電力(負荷に供給される電力)で、軸より下は負の電力(負荷から逆送される電力)です。この正負の差が負荷で消費される電力になります。
電圧と電流の位相差が大きくなるほど負の電力が増加し、φ=π/2では正負の電力が同じになって、電力を消費しなくなります。
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| ● 有効電力と力率 |
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交流では、電圧と電流の積UIすべてが負荷で消費される電力ではありません。
積UIは、皮相電力S(apparent power)といわれ、見かけの電力を表します。
単位はVA(ボルトアンペア)です。
皮相電力は、機器の電気容量を表すのに用いられます。皮相電力のうち、前述の負荷で消費される電力を有効電力P(active powerまたはeffective
power)、消費に寄与しない電力を無効電力Q(reactive power)といいます。無効電力の単位はvar(バール)です。
S=UI [VA] P=UIcosφ [W] Q=UIsinφ [var]
cosφは、皮相電力が真の電力になる割合を示したもので、これを力率λ(power factor)といいます。 皮相電力S、有効電力P、無効電力Qとの間には、次の関係があります。
S2=P2+Q2
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