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電力計測 -基礎編-

電力計のちょとしたノウハウ

ひずみ波の電力測定と周波数帯域について

有効電力は、瞬時電圧と瞬時電流との積の一周期の平均で示されます。
ひずみ波の電圧、ひずみ波の電流および電力が含まれ る場合には、電圧、電流、有効電力は、次の式で表されます。

式1
ひずみ波電圧とひずみ波電流による有効電力は、同じ高調波成分(周波数)の電圧、電流と力率の積から得られる有効電力の総和であることが分かります。異なる周波数成分による電圧と電流の積の平均値は0 となり、有効電力にならないことを表しています。
有効電力を測定する場合には、電圧あるいは電流の一方が高い周波数成分を持っていたとしても、低い方の周波数帯域の特性をもつ測定器を使用すれば良いことになります。

入力形式について

電力測定器の電圧入力方式には、抵抗分圧方式、VT(変圧器)方式などがあり、電流入力方式には、シャント入力方式、CT(変流器)方式、DC-CT(直流変成器)方式などがあります。
VT(変圧器)方式やCT(変流器)方式は、測定対象が交流信号であり、直流成分は測定できません。半波整流波のように直流成分が含まれる波形では、VT(変圧器)方式やCT(変流器)方式は適していません。測定対象に合わせて、適切な入力形式をもつ測定器を選択する必要があります。

電力測定器の計器損失の影響を小さくする結線方法

電力計測を行うとき、電力測定器の電圧入力回路および電流入力回路にも電流が流れるために、電力損失が生じます。電力測定器では、仕様で計器損失(入力インピーダンス)として電力損失の影響を表しています。 電力損失の測定確度への影響は、負荷に合わせた結線をすることで小さくすることができます。 直流電源(SOURCE)、抵抗負荷(LOAD)の場合を考えます。

 ● 測定電流が比較的大きい場合

電圧測定回路を電流測定回路より負荷側に接続します。
電流測定回路は、測定回路の負荷に流れる電流ILと電圧測定回路に流れる電流IVの和を測定します。測定回路電流はILですので、IVだけ誤差になります。一般に、電力測定器の電圧測定回路の入力抵抗は、負荷抵抗に比べ大きいので、IVを小さく抑えることができます。
電力測定器の電圧測定回路の入力抵抗が約1MΩで、負荷抵抗が100Ω以下で、1000V入力の例で試算してみます。IVは約 1mA(1000V/1MΩ)になるので、負荷電流ILが10A以上であれば、測定確度への影響は0.01%以下になります。
また、100V、10A入力の場合では、IV=0.1mA(100V/1MΩ)なので、測定確度への影響は0.001%(0.1mA/10A)になります。

図3

参考までに、0.1%、0.01%、および0.001%の影響を与える電圧と電流の関係を図4に示します。

図4

 
 ● 測定電流が比較的小さい場合

図5電流測定回路が負荷側になるように接続します。
この場合、電圧測定回路は負荷の電圧eLと電流測定回路の電圧降下eI の和を測定し、eI だけ誤差になります。一般に、電力測定器の電流測定回路の入力抵抗は、負荷抵抗より小さいので、eI を小さく抑えることができます。
電力測定器の電流測定回路の入力抵抗が約100mΩ、負荷抵抗1kΩの例で試算すると、測定確度への影響は、約0.01%(100mΩ/1kΩ)になります。
 

おわりに

電力測定器には、指示計器、電力トランスデューサ、ディジタル電力計など動作原理の異なる多くの製品があり、電力計測におい ては、有効電力、無効電力、皮相電力、力率、電力量など、多くの計測パラメータがあります。 ディジタル電力計は、市場ニーズに応えて、待機時消費電力測定に対応したモデルや、高調波測定機能、入力波形解析機能をもったモデルなど様々な製品が販売されています。信頼性の高い電力計測を実現するためには、測定対象、測定目的に合った電力測定器を選択することが重要です。

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