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待機時電力の測定と高調波電流の規制

解説

2.交流電力測定の基礎知識


 図1は、交流電圧源に負荷を接続したときの回路です。電圧源から負荷に向かって電流が流れ、このときの瞬時電圧u(t)、 瞬時電流i(t)の波形は、図2 ①、②のようになります。この回路では、負荷が抵抗のみではなく、インダクタも含まれているため、 電流の位相は電圧よりφだけ遅れています。もし、インダクタの代わりにコンデンサが入っていれば、電流の位相は電圧より進みます。
 負荷では電力が消費され、この電力のことを有効電力Pと呼びます。電力には、ほかに無効電力Q、皮相電力Sがあります。
 無効電力Qは、消費されない電力です。例えば、負荷が理想的なインダクタのみであれば、インダクタに流れた電流はいったん磁気エネルギー として蓄えられますが、また電流として電源に戻っていきますので、インダクタでは電力は消費されません。この消費はされませんが、 負荷に送られる電力のことを無効電力Qと呼びます。
 皮相電力Sは、負荷にかかる電圧実効値Urmsと負荷に流れる電流実効値Irmsを掛けた値です。
 交流信号の有効電力Pの算出式として、電気工学の本には、式(1)が載っていると思います。
交流電圧源と負荷  図1の回路の波形

    P=Urms×Irms×cosφ …………(1)
    Urms:電圧実効値 [Vrms]
    Irms:電流実効値 [Arms]
    φ:電圧-電流間の位相差 [deg]


 式(1)は、電圧波形も電流波形も同一周波数の正弦波であれば成り立ちます。しかし、現実の環境では、電圧源が純粋な正弦波で あることはまずなく、また、たとえ電圧源が正弦波でも、負荷が受動素子(抵抗、インダクタ、コンデンサ)のみで構成されていない場合、 電流波形は正弦波ではなく、ひずんだ波形になることが一般的です。
 そこで、電圧波形、電流波形が正弦波でなくても、有効電力Pを正確に計算する式として、式(2)があります。

    式(2)  …………………(2)
   式(3)  ……………(3)


 式(2)の瞬時電力p(t)は、瞬時電圧u(t)と瞬時電流i(t)の掛け算ですので、式(3)のように変形できます。式(3)の の部分は、交流信号の1周期の期間Tの平均を求めることを意味しています。 図1の回路の瞬時電力p(t)は図2 ③のようになり、その1周期の平均値Pは、図2 ③の点線のようになります。
 広帯域の電力計では、どのような信号波形でも電力を測定できるように、この式(3)に基づいて有効電力を測定しています。