ページ内を移動するためのリンクです。
グローバルナビゲーションへ
本文へ
サイト情報へ

GLOBAL TOP

CLOSE



待機時電力の測定と高調波電流の規制

解説

4.待機時電力の測定

 4.1.製品動向と規格
 待機時電力測定の規格としては、CEマーキングに必要なErP指令で、IEC 62301が引用されています。
 待機時の消費電力を抑える方法として、図10に示すように、①純粋に電流を減らす方法、②電流の流れる時間を短くする方法、 ③電流を間欠的に流す方法、などがあります。

 4.2.小さな電力の測定技術
・レンジ
 図10 ①のように、測定対象の電流が小さい場合でも、精度よく測定するためには、小さな電流レンジで測定する必要があります。 大電流を測定するシャント抵抗のみが搭載された電力計で微小電流を測定すると、シャント抵抗で変換される電圧が小さく、電力計の内部 ノイズに埋もれて精度良く測定できないことがあります。低電流レンジ専用のシャント抵抗を装備した電力計を使うのが望ましいです。
・CF(クレスト・ファクタ)
 図10 ②のように、電流の実効値は小さくてもピーク値が大きい場合、ある程度までは測定レンジを大きくせずに測定できるように なっている電力計があります。電力計のレンジ定格に対して許容できるピーク値の比(許容ピーク値/レンジ定格)を電力計のCF(クレスト・ファクタ)と呼び、 この比率が3や6などのものがあります。例えば、測定しようとする電流の実効値が80mArmsで、ピーク値が500mAの場合、CF=6の電力計で あれば、100mAレンジでピーク値が6倍の600mAまで測定できるので、500mAレンジではなく、100mAレンジで測定できることになります。
 なお、一般にCFというと、波形のCFとして「ピーク値/実効値」の比と定義されていますので、上記の電力計の入力仕様のCFとは意味が異なります。


待機時の電力波形

・平均有効電力
 図10 ③のように、間欠的に電流が流れる場合、電圧の周期で瞬時電力を平均化しても、平均化区間によって有効電力の測定値が ばらついてしまうことがあります。このような場合、積算電力を測定する方法が有効です。図11のように、瞬時電力をギャップなし で積算していく積算電力WPを測定し、これを積算経過時間Hで割った値を求めると、平均有効電力を求めることができます。 これによりばらつきが抑えられた有効電力を得ることができます。
 また、間欠的に電流が流れる場合、正側と負側でパルスの数が異なったり、正側と負側で振幅が異なったり、間欠の周期が長かったりすると、 直流分が含まれることになるので、交流専用の電力計では正確に測定できないことがあります。 この場合、直流が重畳していても測定できる交直両用の電力計で測定する必要があります。

平均有効電力


 4.3.微小電流測定のポイント
・外来ノイズによる影響
 微小電流を測定する場合、外来ノイズによるノイズ電流の比率が相対的に大きくなるので、影響を受けにくいように配線する必要があります。 ①ノイズを発生している機器から測定対象、配線ケーブル、電力計を離す。 ②配線長をできるだけ短くする。 ③配線ケーブルで作られる電流ループの面積を小さくする。配線ケーブルをツイストペアにする。
 図12(a)に示すように、電流ループに外部から磁界が入ると、右ネジの法則で電流が流れ、これがノイズ電流になります。 図12(b)のように、配線ケーブルをツイストペアにすることにより、磁界が入る電流ループの面積を小さくすることができ、 さらに、隣同士のループで逆方向のノイズ電流になるので打ち消す効果も期待できます。

外部磁界の影響

・電圧入力と電流入力の接続位置
 図13(a)のように電力計を接続した場合、電流測定回路には、負荷に流れる電流と電圧測定回路の入力抵抗に流れる電流の 加算電流が流れ、電流測定値の誤差が大きくなります。この場合、図13(b)のように接続すると、電流測定回路には負荷に流れる 電流のみが流れ影響がなくなります。ただし、逆に電流が大きい場合に図13(b)の接続を行うと、電流測定回路のシャント抵抗に 流れる電流による電圧降下分が、負荷にかかる電圧に加算されて電圧測定回路に入力されるため、電圧測定値の誤差が大きくなります。

電圧入力と電流入力の接続位置