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待機時電力の測定と高調波電流の規制

解説

6.最近の高調波電流

 6.1.なぜ高調波電流規制があるのか
・高調波電流の発生原理
 家庭やオフィスのコンセントには、電圧100Vrmsの50Hzまたは60Hzの交流の正弦波がきています。そこに接続される電気機器が、 白熱電球のような受動素子のみから作られたものだけでなく、内部で交流を直流に変換するスイッチング電源を使用したものや、 インバータを搭載したものが増えています。交流を直流に変換する最も簡単な回路は、図19のようなダイオードブリッジと コンデンサを使ったものです。図20図19の回路の各部の波形を示しました。図20 ①の入力電圧u(t)は ダイオードで全波整流され、図20 ②の点線で示した整流後電圧ud(t)になります。整流後電圧ud(t)の方がコンデンサの 両端電圧uc(t)より高いと、コンデンサは充電され両端電圧uc(t)は上昇します。整流後電圧ud(t)の方がコンデンサの両端電圧uc(t)より 低くなると、負荷にはコンデンサから電流が流れ、コンデンサは放電し両端電圧uc(t)は下がっていきます。そしてまた整流後電圧ud(t)の 方がコンデンサの両端電圧uc(t)より高くなるとコンデンサは充電されます。このとき、電源からの入力電流i(t)は図20 ③の ようになり、コンデンサを充電する時間のみ流れるパルス状のひずみ波になります。

変換回路の例    各部の波形

 このような周期的なひずみ波を高調波成分を含んだ波形と言います。図21のように、周期的なひずみ波は、その周期と同じ周波数の 正弦波と、その周波数の整数倍の周波数の正弦波の合成波形で構成されています。ひずみ波の周期と同じ周波数の正弦波を基本波成分 (または基本波)、基本波成分の2倍の周波数の正弦波を2次高調波成分(または2次高調波)、基本波の3倍の周波数の正弦波を3次高調波成分 と呼んでいます。基本波成分と各高調波成分の振幅をバーグラフで表すと、図22のようになります。なお、ここで挙げたひずみ波の 例では、0レベルを境に、正側と負側の波形が線対称なので、偶数次の高調波の成分はすべて0になっています。


ひずみ波    高調波成分


・高調波による障害
 図23に、発電所から家庭のコンセントまでの接続を簡略して示しました。送電線には小さいですがインピーダンスがあり、 抵抗とインダクタで置き換えられます。機器1に電流が流れると、送電線のインピーダンスで電圧降下が発生します。 図23 ①のような電流が流れると、この電流は電圧波形のピーク値付近にのみ集中しているので、その部分だけ電圧降下が大きくなり、 柱上トランス1では図23 ②のように電圧のピーク付近がへこんだひずみ波になります。この電圧波形も周期的なひずみ波なので 高調波成分を含んでいます。この高調波を含んだ電圧が別の場所の機器2に供給され(図23 ③)、機器2に障害が発生することがあります。 障害の例を表1に示しました。誤動作や焼損など、大事故につながるものもあります。
 そのため、電圧に高調波が含まれてしまう原因を作っている、機器側で発生する高調波電流を抑制する規格があります。 表2に主な規格を示しました。


発電所から家庭の接続図

高調波障害の例   高調波抑制規格