計測豆知識・技術レポート
測定器の正しい使い方入門 時間測定器の使い方
解説
時間の基準と測定器
■ 1秒の定義周波数fは1秒あたりの現象の繰り返し数をNとすると、
f=N/1[1/sec]=1/T[Hz]で表されます。
ここで、Tは現象が1回起こるのにかかる時間で、周期といいます。周波数と周期(時間)はたがいに逆数の
関係にあり、本質的に同じものであることを表しています。
我々の生活の中の時間「1秒」は地球の公転周期から定義されました。つまり、地球が太陽の周りを1周回る
のにかかる時間の
1/31556925.9747を1秒としていました。
しかし、天体の長い周期の運動をもとにしているため、数年にわたって観測しないと十分な周波数安定度が
得られないので、標準器として使用するには不便なものでした。
そこで、1960年代に入ってから、原子が持つ固有の電磁波を利用する方法が実用化されてきました。
原子は、固有でとびとびのエネルギー準位をもつことが知られています。この原子が二つの準位間を遷移した
ときには、そのエネルギーの差分を電磁波として吸収または放出します。
現在では133Cs(セシウム)原子が放出する周波数の
9192631770周期を1秒と定義して、Cs原子周波数標準器を国家標準として使用しています。
原子による時間標準は一定不変の高い周波数を利用しているため、10-13もの精度をもちます。
非常に正確な時間の基準器が存在する一方で、それを評価する測定器も高分解能化され、さまざまな機能が
付加されて発達してきました。
■ 時間計測器のいろいろ
時間、周波数を測定する計測器は、一般にエレクトロニック・カウンタと呼ばれ、その手軽さから、さまざまな
分野で使われてきました。以下に各種のエレクトロニック・カウンタを示します。
- 回転計
回転計は機械的な回転体の回転数を測定する測定器で、回転運動を検出するセンサと回転数を表示
する表示器から構成されるものが一般的です。
- 周波数カウンタ
周波数カウンタはもっとも基本的な測定器で、電気信号の周波数あるいは周期を測ることを目的とした
ものです。測定ファンクションが限られるため、比較的小型のものが多く、バースト波形の発振周波数
が測定できる機種もあります。
- マイクロ波カウンタ
マイクロ波カウンタは周波数カウンタの一種になりますが、その入力周波数帯域をマイクロ波帯に
限定したものです。
マイクロ波の信号処理は特別なテクニックが必要で、使用される分野も違うことから普通の周波数
カウンタと区別されています。
ユニバーサル・カウンタ
ユニバーサル・カウンタは周波数、周期などに加え、入力
2チャネルの時間差(タイム・インターバル)や二つの入力周波数の比などを測定できる機能を備えたもので、多くの時間パラメータ計測ができます。
メカトロニクスの分野から電気、電子の分野まで、幅広く利用されています。
- タイム・インターバル・アナライザ
もっとも新しいタイプの時間測定器で、ユニバーサル・カウンタの機能に加え、時間、周波数などの
測定値をメモリに蓄積して、多くのデータから測定値の時間変動であるジッタや周波数の時間変化
などを解析できるようにしたものです。
解析結果をグラフィカルに表示できるディスプレイやプリンタを備えていることが特徴です。