計測豆知識・技術レポート
測定器の正しい使い方入門 時間測定器の使い方
解説
カウンタを正しく使うためには
カウンタを使用する上での一般的な注意事項を具体的な例を上げて説明します。■ 入力インピーダンス
カウンタの入力インピーダンスは50Ω またはハイ・インピーダンス(1MΩ)入力が一般的です。カウンタは波形が見られないために、過大入力と信号源とのインピーダンス整合に気をつけなければなりません。
入力インピーダンスが50Ωでは電流が大きくなるため印加電圧は数V以内に制限されています。最大入力電圧を越える信号を入力すると、内部の50Ω終端抵抗が焼損する恐れがあるので注意が必要です。
信号源の出力インピーダンスが高い場合は、50Ωで受けると振幅が小さくなって測定できない場合があります。一方、1MΩで受けると並列容量のために周波数特性が落ちて数十MHz以上の信号は測定できないこともあったり、反射信号によってミス・カウントをすることもあります。
このように測定しようとする信号の出力インピーダンスが高い場合には同軸ケーブルで引きまわしたりせず、
オシロスコープのプローブなどを使うとよいでしょう。
■ ノイズを含んだ信号の測定
実際の製造ラインなどでは、外部機器が発生する電波などによって信号にノイズを含んでいることがしばしばあります。時には測定信号の振幅よりもノイズ電圧のほうが大きいことすらあります。このようにノイズを含んだ信号はカウンタに入力する前にオシロスコープなどで波形を確認したうえで、ノイズ波形に応じて次のような対策が必要です。
- LPF(ローパス・フィルタ)
ランダム・ノイズはカウンタに内蔵されたLPFを使うことで除去できます。しかし、フィルタを使うと群遅延特性が変化してしまうので、タイム・インターバルやパルス幅を測定するときには注意して使用しなければなりません。
- トリガ・ヒステリシス
LPFで簡単に対処できない信号に対してはトリガ・ヒステリシスとアッテネータを使ってノイズを回避することができます。 図14-13のようにヒステリシス・レベルを越えるノイズ電圧も10倍のアッテネータを使えばノイズ成分を除去して正確な測定ができます。

- ホールド・オフ機能(マスク機能)
図14-14のようにリレーのチャタリング信号や発生のタイミングが予想できるシステマティックなノイズに対しては、ノイズ信号を無視する方法があります。
トリガがかかってから、設定した時間だけ入力信号を無視して必要な信号のみ取り出します。
ノイズ振幅が大きい低い周波数の信号に対しては非常に有利です。

高分解能のカウンタではタイムインターバルを測定するときには、両チャンネルに信号を入力するケーブル長の違いによる遅延差が無視できません。 同軸ケーブル中を電子が移動するスピードは有限で、約5ns/mとなります。つまり同軸ケーブルの長さが1m違っていたら5nsの測定誤差が発生することになります。