都市ガスは、国民生活や経済活動を支える重要インフラとして位置づけられており、サイバーセキュリティ対策の強化が求められています。「ガス事業法」第24条、第64条、第97条では、ガス事業者に対し保安規程の策定が義務付けられ、経済産業省令「ガス事業法施行規則」でもサイバーセキュリティ確保に関する規定が設けられています。
これを受け、日本ガス協会は「製造・供給に係る制御系システムの情報セキュリティ対策ガイドライン」を策定し、内規の策定・改訂支援を推進しています。また、都市ガス業界に限らず、電力・水道・鉄道・医療・金融など他の重要インフラ分野でも、国や所管省庁、業界団体が連携し、サイバーセキュリティ対策の指針やガイドラインを策定・推進しています。これらは「重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画」や「安全基準等策定指針」などに基づき、各分野の特性に応じた対策が求められ、官民連携による強靱なセキュリティ体制の構築が進められています。

出典:
経済産業省 第17回 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 ガス安全小委員会(2018年3月6日)
資料4「ガス分野におけるサイバーセキュリティ対応の向上に向けた取組について」P.4
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/gas_anzen/pdf/017_04_00.pdf
一般社団法人日本ガス協会「ガスの安定供給に向けた情報セキュリティ対策」P.4
https://www.gas.or.jp/pdf/anzen/security_taisaku.pdf
しかし、指針やガイドラインが示されていても、実際に「何を」「どのように」「どんな順番で」実施すればよいのか分からず、対応に不安を感じている事業者も少なくありません。特に制御系システムやサプライチェーン全体にわたるセキュリティ対策には、専門的な知識と実践的なノウハウが求められます。
横河デジタルは、現場の実情に即したサイバーセキュリティ対策の立案・実行を支援します。業界標準や法令に準拠しながら、リスク評価、対策の優先順位付け、運用体制の構築までを一貫してサポートし、安心・安全なインフラ運営の実現に貢献します。
ガイドライン準拠性確認
既存のOTセキュリティポリシーが業界ガイドライン(例:日本ガス協会のガイドライン)に適合しているかを確認し、必要な要素が網羅されているかをチェック、ギャップを明確化します。
リスク分析・対策ロードマップ作成
制御機器やシステム全体に対してセキュリティリスク分析を実施し、脆弱性や潜在的な脅威を洗い出します。ガイドラインで定義されたセキュリティレベルに基づいて評価し、優先順位をつけた対策項目と実施スケジュールを含むロードマップを策定します。
OTポリシー改訂
リスク分析で判明した差分や新たな対応事項をOTポリシーに反映し、現場の運用に即した、より実効性のあるセキュリティポリシーへと進化させます。
対策実施
策定されたロードマップに従って、技術的・運用的なセキュリティ対策を実施します。対策の進捗や効果は定期的に評価・報告し、必要に応じて改善を加えながら、継続的なセキュリティ強化を図ります。

セキュリティ対策の第一歩である「ガイドライン準拠性確認」は、単なるチェックリストの照合作業ではありません。業界ごとに異なるガイドラインの構成や要求事項を正確に理解し、既存のOTポリシーや現場の運用実態と照らし合わせてギャップを特定するには、専門的な知識と経験が不可欠です。
特に制御系システムの分野では、ITシステムとは異なる運用環境や制約が存在するため、一般的なセキュリティ基準をそのまま適用するだけでは十分とは言えません。そのため、ガイドライン準拠性確認は多くの事業者にとって難易度が高く、セキュリティ対策全体の成否を左右する極めて重要なステップとなっています。
横河デジタルは、制御系セキュリティに関する豊富な知見と、業界ガイドラインへの深い理解を活かし、準拠性確認のプロセスを体系的かつ効率的にご支援します。現場の実態に即したギャップ分析と、実行可能な改善提案を通じて、確実なセキュリティ基盤の構築をサポートします。
ガイドライン準拠性確認は、単なる文書の照合ではなく、対象となるOTポリシーが業界ガイドラインや法令に適合しているかを体系的に評価するプロセスです。横河デジタルでは、以下のステップに沿って、準拠性確認を効率的かつ確実に進めます。
準備(対象の明確化)
まず、使用するガイドラインを選定し、比較対象となるポリシー文書や手順書を収集します。対象となるシステムやプロセスの範囲、期間を明確にすることで、評価の基準を定めます。
評価基準とマッピング表の作成
ガイドラインの要求事項と既存ポリシーとの対応関係を整理し、マッピング表を作成します。これにより、どの項目がどの文書に対応しているかを可視化し、評価の土台を構築します。
現状調査(ギャップ分析)
マッピング表に基づいて現状を調査し、ガイドラインとの間に存在するギャップを抽出します。未対応項目や一部対応項目を明確にし、改善の必要性を把握します。
ギャップの特定とリスク評価
抽出されたギャップを分類し、リスクの大きさ(高・中・低)を評価します。これにより、優先的に対応すべき項目が明確になります。
改善計画の策定
ギャップを埋めるためのアクションプランを立案します。優先順位、コスト、実現可能性を踏まえた改善計画により、現実的かつ効果的な対策が可能となります。

横河デジタルは、都市ガスをはじめとする重要インフラ分野において、各種ガイドラインへの準拠性確認を支援するコンサルティングサービスを多数提供してきました。これまでの実績には以下のような取り組みが含まれます。
特定ガス導管事業者様向けに、リスクアセスメントの実施と、OTポリシーや運用マニュアルの策定支援を実施。
ガス事業者様向けには、以下のような複数のガイドラインに基づく準拠性確認を支援:
高圧ガスを扱う事業者様向けに、認定高度保安実施者制度への対応として、以下のようなガイドラインに基づく支援を実施:
石油化学業界や機械器具製造業界においては、NIST CSF2.0に基づくリスクアセスメントを実施し、国際的な基準への対応も支援。
都市ガスをはじめとする重要インフラ分野では、ガイドライン準拠をはじめとしたセキュリティ対策の実施がますます求められています。しかし、何から着手すべきか、どのように進めるべきかに悩む事業者も少なくありません。
横河デジタルは、豊富な実績と専門知識を活かし、準拠性確認からリスク分析、ポリシー改訂、対策実施までを一貫して支援します。現場の実情に即した実践的なコンサルティングを通じて、安心・安全なインフラ運営の実現をサポートします。
セキュリティ対策の第一歩は、横河デジタルへのご相談から。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。