横河マニュファクチャリング株式会社

サステナビリティ活動

YOKOGAWAのサステナビリティ活動

YOKOGAWAグループでは、2050年に向けたサステナビリティ目標として、「Three Goals」を掲げており、これらを達成する為にYOKOGAWAの事業活動に関連した「6つの貢献分野」を設定しています。


【Three Goals】

  1. Net-zero emissions:気候変動への対応、GHGの排出と吸収の均衡を保つ

  2. Well-being:すべての人の豊かな生活

  3. Circular economy:資源循環と効率化

【6つの貢献分野】

  1. カーボンニュートラル*の達成:GHG排出の抑制と、安価で信頼できる持続可能なエネルギーへの転換

  2. 企業や社会の効率化:DXによる生産の効率化、自律化と資源・エネルギーの効率的利用

  3. ライフサイクル最適と環境保全:プラント資産の長期最適運用と環境負荷低減の両立

  4. 安全と健康の向上:ライフイノベーションの推進とプラント、地域社会の安全向上

  5. 資源循環型エコシステムの創造:バイオエコノミーや資源循環システムの確立

  6. 能力を発揮できる環境の実現:一人ひとりが尊重され平等であり活躍できる環境の整備

 

カーボンニュートラル*:温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすること

three goals
参考:6つの貢献分野とサステナビリティ目標|YOKOGAWA

  

横河マニュファクチャリングの地球環境活動

「6つの貢献分野」の1つである「①カーボンニュートラルの達成」は、SDGs*で設定された17のGoalのうち、No.7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」と、No.13「気候変動に具体的な対策を」に繋がっています。これはYOKOGAWAのサプライチェーンの中でも環境負荷が大きい生産機能を担っている当社と直結している分野であることを意味しています。
そのため当社は生産会社として培ってきた「改善力」を活かし、日々サステナビリティ活動に尽力しています。

SDGs*:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17の目標と169のターゲットから構成され、貧困、飢餓、教育、気候変動など、地球上のあらゆる課題の解決を目指す。

SDGs
 

当社の環境活動は、大きく以下2つに分けることができます。


①「地球温暖化防止活動」

​​​​​サステナビリティ活動のひとつとして、地球温暖化の防止・カーボンニュートラルを目指しています。省エネ**・創エネ***・再エネ****の3本柱で活動しており、当社の「改善力」を活かし、生産品質の維持向上を継続しながら、建屋の付帯設備や生産設備のエネルギーロスを可能な限り抑える取り組みをしています。


省エネ**:エネルギーのムダを省き、効率よく使う取り組み
創エネ***:自らエネルギーを作り出す取り組み
再エネ****:限りあるエネルギー資源ではなく、自然エネルギーを利用する取り組み

 

②環境マネジメントシステムの運用

ISO14001*の規格に基づき環境マネジメントシステムを横河電機と共に構築し、環境保全に積極的に取り組んでいます。当社は1997年以来ISO14001認証を継続することで社会への責任を果たしています。

ISO14001*:国際標準化機構(ISO)が定めた環境マネジメントシステムの国際規格


 

YOKOGAWAにおいて、事業活動と社会・環境への貢献は一体です。その中でも当社における環境活動は様々で、省エネ活動はもちろんのこと、生産に使用する水の削減、廃棄物の削減、化学物質の適正な管理と運用、環境関連法令の順守、新たなエネルギーの調達の検討(再エネ、水素)など、多岐にわたります。

現在、特に問題視されている地球温暖化について、世界各国の企業が温暖化防止に急ピッチで取り組んでいます。企業として温暖化防止に積極的に取り組むことが、企業の安定操業につながります。つまり省エネ活動は環境保護だけでなく、企業の存続に直結する重要な取り組みなのです。また、省エネに取り組むことで結果的にコストダウンとなり、会社の利益にもつながります。当社強みである「改善力」を省エネにも活かし、地球温暖化防止活動に強みを直結させながら動いています。このように、「省エネ活動」と聞くと一見地味に思われがちですが、企業にとって不可欠であり、大変やり甲斐のある活動です。

また、省エネを推し進めるには、電気,熱,機械,流体,化学,法律など様々なジャンルの知識が必要とされます。自分や大切な人たちが住む地球の環境保全と企業の存続に、これまでの学びが「意外と活きる」場面があります。このようなやりがいと有意義さを持つ環境活動に、少しでもご興味を持っていただけますと幸いです。

環境活動のあゆみ

      活動  

1997年

7月

甲府事業所ISO14001認証取得

1998年

1月

小峰事業所ISO14001認証取得

2000年 

12月

甲府事業所、小峰事業所でトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンを全廃

2001年 

11月

甲府事業所で埋立廃棄物ゼロ達成

2002年 

  2月

小峰事業所で埋立廃棄物ゼロ達成

 

8月

甲府事業所、小峰事業所でジクロロメタン全廃

 

8月

小峰事業所でHCFC全廃

2003年

2月

甲府事業所がエネルギー管理優良工場表彰において「関東経済産業局長賞」受賞

2004年

3月

甲府事業所、小峰事業所に環境に配慮した新工場竣工

2005年

3月

甲府事業所内に省エネルギー見学コース開設

 

11月

「横河マニュファクチャリング株式会社」発足

2006年

5月

甲府事業所に六価フロムフリー、シアンフリーのめっきラインを構築

2007年

5月

小峰事業所にシアンフリーのめっきラインを構築

 

  9月

本社が登録範囲に加わる

2015年

1月

甲府事業所が平成26年度省エネ大賞で審査委員会特別賞を受賞

2017年

4月

横河電機株式会社と統合し、ISO14001認証登録

 

6月 

甲府事業所の基礎部品製造部からトルエン、キシレン全廃(それまで年間9t使用)

2018年

5月

駒ケ根事業所が長野県から地球温暖化対策条例の対象事業所として優良事業者表彰を受ける

 

8月 

横河電機株式会社と連名でISO14001認証更新

2019年

8月

横河電機株式会社と連名でISO14001認証更新

2020年

8月

横河電機株式会社と連名でISO14001認証更新

2021年

2月

当社社員が省エネ推進功労者表彰として表彰される

2021年

5月

小峰事業所が令和2年度関東地区電気使用合理化表彰で最優秀賞受賞

2021年

8月

横河電機株式会社と連名でISO14001認証更新

2022年

3月

甲府事業所が令和3年度やまなし省エネスマートカンパニー⼤賞を受賞

2022年

7月

 横河電機株式会社と連名でISO14001認証更新

2023年 

8月

横河電機株式会社と連名でISO14001認証更新

2024年

8月

横河電機株式会社と連名でISO14001認証更新

2025年

2月

当社社員が省エネ推進功労者表彰として表彰される

 

8月

横河電機株式会社と連名でISO14001認証更新

 

サステナビリティ活動

YOKOGAWAのサステナビリティ活動は多岐にわたりますが、目標の1つとして掲げているのが、『2030年までにカーボンニュートラルを達成すること』です。
そのために当社はYOKOGAWAの生産機能を有する企業として以下の取り組みを行っています。

■省エネ活動事例

  • エネルギーロスの排除:建屋に付随する設備や生産設備が適切に運用されているかを見直すと共に、エアーの漏れや熱の流出などが無いかを徹底チェックします。また運転する必要がない時間帯は出力を下げるなど、ムダの排除を行っています。

  • 効率的な運転:常に最大出力にするのではなく、いつも最適な出力になるよう自動調節するような仕組みを設け、省エネをしています。

■創エネ活動事例

  • 太陽光発電の導入:2022年1月から、甲府事業所で順次導入しています。また蓄電池も導入することで、デマンドレスポンスとコスト削減にも対応しています。

■再エネ活動事例

  • 「発電時にCO2を発生しない電気」の調達:2025年度より、甲府・小峰・駒ヶ根事業所の電力を、全て再生可能エネルギーに転換しています。

 

その他にも、エネルギー関連のみの活動にとどまらないサステナビリティ活動を推進し、より地球環境にやさしいものづくりを突き詰めています。

■その他活動事例

  • 生産で使用した水の再利用:イオン交換水を再生して、めっきラインの水洗水として100%再利用しています。また実流試験の水を循環利用するなど、水の効率的な利用に関しても対応しています。

  • 生産手法の改善による廃棄物の削減:千鳥加工を施し、生産できる部材の数を増やすことで廃材の量を削減しています。また薬液投入を最適化するなどして、作業後に捨てられる薬液の量を減らすなど、廃棄物削減にも大きく力を入れています。

  • 拠点ごとの社会貢献活動:社会貢献活動として、拠点ごとに周辺地域の清掃活動を毎年実施しています。

 

生産会社としての責任

特に再エネ調達によるCO2削減効果は、カーボンニュートラル達成に向けた活動の中でも大きく、当社は2025年4月の時点で、すべての生産拠点の購入電力を再エネに切り替えました。ただ、コストが高く、あくまでCO2を削減しただけでエネルギーそのものを削減したことにはならないため、当社では再エネの導入と並行して、省エネの推進にも力を入れています。

省エネ活動の具体的手段としては、空調などのユーティリティと生産設備の両方の省エネに取り組んでいます。
当社は引き続き、地球の未来に責任を果たす生産会社として、積極的にサステナビリティ活動を推進してまいります。

 

<当社のGHG削減グラフ>

GHG

 

グローバル活動

当社は世界12か国17拠点の生産機能を束ねており、YOKOGAWAの生産機能のHeadquartersの位置づけです。そのため、生産としてのCO2削減活動は国内拠点にとどまらず、海外拠点を含めたグローバルで実施していく必要があります。
グローバルでのCO2排出実績を見ても、国内5拠点を有する当社単体のCO2排出量はTOPです。この数字からも、当社が先頭に立って省エネを進めていくことはマストであり、かつ海外拠点に対して積極的にCO2削減活動を推進していく必要があります。

当社では「エネルギーマネジメントPJT」「省エネWG」といったエネルギー削減のプロジェクト体制を整えていますが、今後はこれらの取り組みを海外拠点にも展開し、コミュニケーションを取りながらベストプラクティスの共有をしていくことでカーボンニュートラルを目指します。
これは単に当社の省エネを実現させるためだけではなく、YOKOGAWAグループ全体として地球温暖化防止活動に貢献していくことを示しています。

 

省エネ活動

当社では省エネを実施するにあたって、事業所を横断した2つのプロジェクト体制で活動しています。

  1. エネマネプロジェクト:工場の建屋側(空調など)の省エネにフォーカスしたプロジェクトで、各事業所の環境担当、及び施設管理担当で構成されています。
  2. 省エネワーキンググループ:生産現場で使用している設備の省エネをターゲットとしたプロジェクトです。生産現場や生産技術の若手などで構成されており、「生産設備のことは現場の人間が一番知っている」という考えのもと動いています。

この2つのプロジェクトで、これまで実施してきた省エネ施策の一部をご紹介します。

事例紹介

①クリーンルーム空調の適正運転

当社の甲府事業所にあるクリーンルーム*では、クリーン度を維持するための空調ファンがこれまで24時間365日が連続運転されていました。そこにエネルギーのムダがあると考え、クリーンルーム内にパーティクルカウンタ**を設置しファンと連動させ、ファンの回転数を制御できるシステムを構築しました。

生産活動の無い日(人の出入りが無いためクリーン度はそもそも高い)は、ファンの回転数を必要最小限に抑えながらもクリーン度を維持し、省エネを実現することができました。

クリーンルーム*:空気中のゴミやホコリ、浮遊微生物などの混入を防ぐために、一定の清浄度レベルになるように管理された気密を保った部屋
パーティクルカウンタ**:空気中または水中に浮遊する、塵埃や不純物などの目には見えにくい微粒子の数・大きさを測定する装置
clean room

②検査室内の作業環境改善

当社の小峰事業所にある製品検査室には恒温槽があり、その排熱により室温が上昇し空調負荷を上げていました。​​​​そこで恒温槽上部に排熱フードを設置し、熱を工場外へ出すことによって検査室の温度上昇を防ぎ、空調負荷を下げることによって省エネを実現しました。

恒温槽*:内部の温度を一定に保つ、たは設定温度に到達させるために、ヒーターや冷却装置などを利用して温度を制御する装置

③地下水の冷熱を利用したチラー還水の補助冷却

当社の駒ヶ根事業所では冷却水を使用しており、それにはチラー*が必要になります。冷却水を作るためのチラーを動かすにはもちろん電力が必要です。
駒ヶ根事業所は地下水が豊富で、その温度は年中ほぼ一定です。そのため特に夏場において、工場で使用する水(相対的に温かい)と地下水(相対的に冷たい)との間で熱交換器を用いて熱交換(熱「のみ」交換)を行い補助冷却することにより、チラーの電力負荷を下げることに成功しました。

チラー*:水を一定の温度に保ちながら循環させ、熱源を冷却したり温調したりする装置
 

④エアーガンのパルスブロー化

当社の各事業所では、加工時に発生する切り粉などを吹き飛ばす際にエアーガンを用いています。圧縮エアーを連続ブローする方式が一般的かと思いますが、その方式だと圧縮エアーを大量に消費することになります。そこで本施策では、ブローを連続方式からパルス方式*に変更することによって、切り粉などの除去具合は維持しつつもエアーの使用量を削減し、それによってコンプレッサ**の消費電力量を削減しました。

パルス方式*:連続してエアーを噴射する一般の方式に対して、短い時間でON/OFFを切替え、断続的にエアーを噴出する方式
コンプレッサ**:圧縮エアーを作り出す装置

⑤コンプレッサーの元圧低減(検討中)

当社の駒ヶ根工場にあるコンプレッサで生成される圧縮エアーの質を維持しつつ、コンプレッサの使用電力量を削減し、省エネを実現することを検討中です。

社内啓蒙活動

省エネ活動は、一部の関係者だけで進めていても実現できません。カーボンニュートラルを実現するには全社員が一丸となることはマストなのです。そこで当社では定期的に環境イベントを開催し、省エネをはじめとする環境活動の重要性を皆で一緒に理解し、「自分自身が普段行っている業務」と「環境活動」がどの様な形で結びついているのかを体感してもらうことで、社内の環境活動活性化に取り組んでいます。

開催されるイベントは比較的カジュアルなものが多いため、社員が取り組みやすいものとなっております。そして、できるだけ楽しく環境活動の重要性を体感できるよう工夫しています。

 

 

事例紹介

①オリジナルエコバッグの配布

サステナビリティ目標に向かって本格的に省エネ活動を実施するにあたって、それを社員に周知・意識して頂くためにエコバッグを製作し、当社の全従業員へ配布しました。ちょうどその頃コンビニ袋が有料化したのもあり、好評な企画でした。
 

②ECO川柳

サステナビリティ活動を社員に広めるために「Senryu Challenge for ECO ~千里の道も 一句から~」というイベントを開催し、環境をテーマとして川柳を作って頂きました。その応募者全員にSDGsバッジを渡し、SDGsをより身近なものに感じて頂きました。
 

③クイズ

「環境活動はできるだけ楽しくやってほしい」という想いから、当社では折に触れて、キャッチーな環境クイズを実施しています。その内容は基本的なものが多く、サステナビリティ目標の各数値や世界をとりまく環境問題、カーボンニュートラルのために私たちができること、など幅広く、かつ難しすぎないようにしています。
 

④環境セミナー

環境活動は、なにをすればいいのか・どれだけ効果があるのかを理解するところから始まります。そこで弊社では社員に向けた環境セミナーを定期的に開催しています。環境に関する基本的な内容から始まり、省エネの具体的な方法、特に本来業務に結びつけた省エネを把握して頂くことをモットーに教育を実施しています。
 

⑤社内環境大賞

当社では年に1度、国内外の生産拠点から選出された社員を集め、『ものづくり大会』というイベントを開催しています。2023年に実施されたものづくり大会では、セッションの1つとして『社内省エネ大賞』を開催しました。国内外の各拠点に勤務する全社員に対して「現在実施している省エネ」「今後実施してみたい省エネ」をテーマとして募集し、その中から特にユニークな施策を表彰しました。各拠点から多くのアイデアが出され、参加者にも好評でした。

⑥省エネ意見箱

当社では全従業員からいつでも省エネの案を募集できるよう、社内WEB上に意見箱を設けています。従業員が普段から感じている省エネの余地などをWEB意見箱に書き込んで頂くことで、細部の省エネアイディアの収集・実施が可能となります。
 

⑦環境コラム

当社では環境に関する情報を定期的に全社員へ展開しています。社内での環境関連情報(サステナビリティ目標,ISO14001審査など)や、環境に関わる社会情勢などを、資料やクイズを交えて発信することで環境活動に関心を持って頂き、楽しく実践することを目的としています。

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